オリゴ糖は、腸内のビフィズス菌を増やすものといわれています。それは知っていました。私も一度買ったことがあります。液体でボトルに入っていました。今、うちで使っているのは、てんさい糖です。パッケージにオリゴ糖を含むと書かれていたので買いました。
粉末ではこのようなものがあります。
”ラフィノース98%以上の高純度オリゴ糖です。”と書かれていました。
しかし、オリゴ糖ってどんなものなのか私は知りません。
この記事ではオリゴ糖について調べてみます。
オリゴ糖とは糖が2~10個結合したもの
オリゴ糖の特性と生理効果にはこのように説明されています。
オリゴ糖は,糖のオリゴマーであり少糖類とも呼ばれている.
通常,糖が1個からなるものが単糖(monosaccharide),2~10個がオリゴ糖(oligosaccharide),11個以上がメガロ糖(megarosaccharide),100以上が多糖(polysaccharide)と呼ばれている.
オリゴマーは、コトバンクのオリゴマーに説明がありました。
同種の分子の数が2個から多くても20個程度からなり、比較的に分子量の低い重合体。
重合については、あとでオリゴ糖の構造式を載せるので、そこで説明しましょう。
オリゴ糖は糖質です
オリゴ糖は糖質の一つです。
オリゴ糖は糖が2~10個結合したものです。似たようなものに、食物繊維があります。食物繊維は、こちらは糖がたくさん結合したものです。
糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたもの
糖質と食物繊維についてに、糖質の説明がありました。
糖質は、食品表示基準では当該食品の質量から、たんぱく質、脂質、食物繊維、灰分及び水分量を除いて算出される。つまり、炭水化物から食物繊維を除いたものである。
何年か前から、ゆるい糖質制限食が体によいと認識されるようになり、食事の糖質を気にする人が増えています。
オリゴ糖は糖質の一部ですから、エネルギーとして使われますが、中には糖の結合の場所によって消化酵素で分解できない難消化性のものがあります。もちろん、難消化性のオリゴ糖に関心が集まっています。甘さが楽しめてカロリーに計算されないからです。
オリゴ糖の原料
日本における機能性オリゴ糖の開発にこのように書かれていました。
日本における食品用オリゴ糖の生産に関する研究は1970~75年に開始され、表Ⅰに示すように、澱粉関連、砂糖関連および乳糖関連のオリゴ糖が開発された。
また、キシロオリゴ糖、アガロオリゴ糖、マンノオリゴ糖やキチン/キトサンオリゴ糖がキシラン、寒天、マンナン、キチンおよびキトサンなどの様々な多糖類を原料にして開発されている。
キシランは多糖類、寒天、マンナン、キチン、キトサンは食物繊維です。
オリゴ糖は酵素でつくる
世界で初めて機能性オリゴ糖・フラクトオリゴ糖を製造したのは、明治製菓株式会社(現・株式会社明治)で、1984年のことでした。(株)明治フードマテリアのサイトにメイオリゴ(フラクトオリゴ糖)の構造と機能というページがあり、開発の経緯や製造方法、機能などが紹介されています。
もともとは虫歯にならない甘味料を作ることが目的だったようです。
製品化されたオリゴ糖は7種類あります。フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノースです。
フラクトオリゴ糖は、砂糖(ショ糖)を原料として微生物の酵素を作用させてつくります。
乳果オリゴ糖は、砂糖と乳糖を原料として微生物の酵素を作用させてつくります。
ガラクトオリゴ糖は、乳糖を原料として微生物の酵素を作用させてつくります。
イソマルトオリゴ糖は、デンプンを原料として微生物の酵素を作用させてつくります。
キシロオリゴ糖は、タケノコやトウモロコシの繊維質を酵素で分解してつくります。
大豆オリゴ糖は、大豆タンパクを製造するときにできる大豆ホエーから抽出します。
ラフィノースは、甜菜(てんさい)から抽出された天然のオリゴ糖です。
オリゴ糖の効果
オリゴ糖の効果は、なんといってもビフィズス菌を増やすことです。ビフィズス菌は酸素が少しでもあると死んでしまう偏性嫌気性の菌なので、ヨーグルトの乳酸菌のように簡単に増やせないようです。
さらに、ビフィズス菌は、オリゴ糖から乳酸や酢酸などを生産します。乳酸や酢酸が増えると腸内は酸性になり、大腸菌やウエルシュ菌などいわゆる悪玉菌の増殖を抑えます。腸の中に棲んでいるビフィズス菌が多いことがお腹の健康のバロメーターであるのは間違いありません。
乳酸や酢酸が増えると、酸の刺激で蠕動運動が活発になり、便通も促されます。
オリゴ糖1gのカロリーは約2kcalです。ショ糖(砂糖)の半分です。しかも、小腸で消化されにくいので、血糖値の急上昇を抑えることができ、甘味料であるものの、糖尿病の予防に役に立ちます。