酵母ごはん―暮らしにしみ入るおいしさ

酵母ごはん―暮らしにしみ入るおいしさを読みました。よい本だなあと思いました。冒頭、リンゴから酵母を取り出す話が、何枚かのとてもきれいな写真とともに紹介されていました。

読みながら、早速、八百屋に行ってリンゴを買ってこようと思いました。

この本で学べるのは、酵母を取り出すことの他に、菌の1日ごとの変化です。乳酸菌と酵母は相性がよくセットになって増殖しますが、毎日変化していきます。発酵関係の本で、それを細かく書いてある本はあまりみかけません。

それをこの記事では紹介します。是非、本を読んでみてください。

リンゴについていた酵母を育てる

リンゴから酵母を取り出す方法はとても簡単です。端折って書くと、ビンに皮付きで切ったリンゴを入れ、リンゴが空気にふれないように水を一杯入れ、小さじ1杯のはちみつを入れて蓋をします。

冷蔵庫に3日間入れて、泡が立ってきたら常温の場所に出す。朝夕2回フタを開けて香りと味をチェック。シュワシュワと音がしてアルコールのにおいがうまみに変化したらできあがりです。

ちなみに、酵母はアルコール発酵します。1%以上にアルコール発酵したものを飲むのは酒税法で禁止されていますので、念のため。

リンゴ

乳酸菌から酵母へ

ビンの中には水が一杯入っていて、空気は入っていません。冷蔵庫に入れている間に酸素がなくても生きることができる乳酸菌が糖分を食べて増殖していきます。乳酸菌は低温に強いですね。

乳酸菌や酵母はいったいどこにいるんだろうと思ったことはありませんか?私は昔、農業関係のレポートを少し書いていたことがあるのですが、そのことでしばらく分からなくて悩みました。

乳酸菌や酵母はこの場合は、リンゴにくっついています。しかし、乳酸菌も酵母も季節によって状態は変わると思いますが、空気中を飛んでいるのです。どこにでもいるのです。

冷蔵庫に入れるのは、雑菌の働きを抑えるためだと思います。その間に乳酸菌が増えて乳酸を出して酸性になるので、雑菌は増えることができなくなります。

この3日間で乳酸菌の天下になります。雑菌や弱い酵母菌は完全に抑えられ、強い酵母菌のみが生き残ります。

ビンを常温に戻すと、酵母が眠りから覚めて活動を開始します。乳酸菌と酵母菌はエサを食べながら共生して増殖します。それぞれ単独で培養するより二つの菌がある状態の方が増殖のスピードは速いのです。

25℃くらいが好きな酵母菌が元気になり、アルコールと炭酸ガスをつくります。

ビンを常温に戻して4日目くらいが天然炭酸飲料として子供が飲むならよいタイミングだそうです。

5日目になると、ふたを開けたときにほのかにアルコールが香るようになります。炭酸ガスの勢いが強くなる(=アルコール発酵が盛ん)ので、リンゴも上の方に浮いてきます。

酵母

酵母

6日目になると、フタを開けたときに「プシュッ」と音がします。炭酸ガスが発生しているのでビンの中の圧が高くなってきているのです。アルコールの香りがします。シードルのような酵母液。パンにつかうには一番ふくらむ時だそうです。

アルコールができてくると、乳酸菌は減っていきます。死んでしまうのです。酵母にバトンタッチされます。

7日目には、酵母菌のはたらきはピークになります。一番アルコールをつくる頃。8日目には、アルコール発酵の勢いが弱くなり始めて、少しずつ泡がおさまって来ます。

だいたいここまで冷蔵庫から出して8日目くらいだそうです。

酵母がつくったアルコールの濃度が高くなると、酵母の増殖する勢いが弱くなります。アルコール濃度が高くなると、酵母にとっても生きて行けない環境になります。ここからアルコールを分解する酢酸菌の出番です。

だいたい9日目には、ビンの中の素材は酵母菌に食べ尽くされてスカスカになっていて、10日目になるとビンの中はすっかり落ち着きます。味もまろやかになっています。

酵母から酢酸菌へ

11日目になると、炭酸はほとんど抜け、酢酸菌によってアルコールは酢酸に変化させられて行きます。反応式は下の通りです。ほんのりとお酢の香りがするようになります。

C2H5OH+O2→CH3COOH+H2O
エチルアルコール+酸素→酢酸+水

11日目以降は、うまみ成分を残しつつ、上品でまろやかなお酢に変化します。酵母は乾燥物だと40%くらいがたんぱく質です。アミノ酸のうまみの元になります。

長く置くと本格的な酢になるそうです。発酵は酢になるまで止めないと止まらないですから、途中で炭酸リンゴジュースを味わい、酢になったら調味料として使います。一番発酵力があるときは、パン種に使うとよいらしいです。

まとめ

この本を読んでよかったのは、冷蔵庫に入れておいたビンを常温に戻してからの1日ごとの変化が書いてあるところでした。これは参考になります。

アマゾンのレビューを見ると、かなり批判的なことを書かれている方もいらっしゃいました。しかし、ウエダ家は酵母を取り出す方法を教えてくれて、なおかつ完成度の高い乳酸菌と酵母を販売してくれていると考えれば、なんて親切な会社だろうと思います。

まず、自分でやってみてくださいといっているのですから。やってみましょう。

敬意を込めてリンクを貼らせていただきます。

お店でも扱われていて、有名な羽村の福島屋さんの羽村本店、立川店、リラック大崎店、六本木店。Crayonhouseの東京店と大阪店などなど・・・。サイトを見ると出ています。

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