なぜ酵素にダイエット効果あるといわれたのか?

酵素ドリンクや酵素サプリを飲むとダイエットできるなんてことはありません。酵素ブームになり、酵素サプリを作る会社が増えました。新しく参入してきた会社が他社との差別化をはかるために、酵素断食を適当にアレンジして酵素ダイエットを仕掛けたのではないかと思います。

野菜と果物

なぜ酵素にダイエット効果があるといわれたのか?

これから順番に説明していきますが、最初に結論を書いておきます。

酵素のテレビCMを毎日見るようになった2012年頃(?)から、酵素ブームとなり、酵素サプリを作る会社が増えました。新しく参入してきた会社が差別化をはかるために酵素ダイエットを仕掛けたのではないかと思います。

昔、昭和から酵素をつくっているメーカーは、どこも酵素でダイエットできるなんて自社サイトに書いていません。

酵素でダイエットなどできるわけはありませんが、酵素ブームが来る少し前に、ダイエットドリンクがものすごく流行りました。

その影響なのか、東急ハンズで3日間酵素ファスティング(キット)を見かけたことがあります。もともと酵素は、断食中に体を弱らせないために飲まれていた歴史があります。それを知った一部のメーカーが、ゆるい断食(といってよいのか)である置きかえダイエットを提案したのでしょう。

それと「酵素」という名称が勘違いに加担し、酵素を飲めばやせるという間違った解釈につながったんだろうと思います。

酵素ブームの前にダイエットドリンクがとても流行っていた

2008年だったか2009年だったか、朝、電車に乗ると、電車の画面では大ヒットしていたダイエットドリンクのCMが毎日流れていました。本当にそれを見ない日はありませんでした。

そのうちに人気ダイエットドリンクはドラッグストアーにも並ぶようになり、補充が間に合わないのか(?)棚に空箱が並ぶようになりました。このドリンクは、毎回味を変えて食事代わりに飲むというものでした。何日か分がセットになっていて、味や色が違うものが組み合わせで入っていました。

そのうち、似たような商品が出ましたが、本家のメーカーは相当な売上げだったと思います。

酵素ファスティング

このダイエットドリンクブームに乗じてなのか(?)、酵素ファスティングという商品がでてきました。確か3日分くらいの液体の酵素をまとめて買ってもらい、3食の食事代わりに飲む内容だったと思います。

多分、酵素が断食と関係があったと知っている人(?)が酵素ファスティングというのを商品化したのではないかと思います。渋谷の東急ハンズでも見かけたのでそこそこ売れていたのかもしれません。

ダイエットは永遠のテーマですが、しかし、商品のブームはいつか飽きられて必ず終わります。ダイエットドリンクもやがて見かけなくなりました。酵素ファスティングもその名前をあまり聞かなくなりました。

(余談ですが、市販の酵素だけを飲みながら何日間か断食する人は昔からいたので、酵素ファスティング自体は、流行とは関係がありません)

2012年頃(?)から酵素ブーム到来

毎日テレビで酵素のCMを見るようになったのは、2012年頃からでした。夜の報道番組の合間にも流れていたので、酵素の知名度が急に上がりました。それ以前から、発酵食品自体に関心が持たれていたので、それも追い風になったと思います。

その後、ネットでは酵素サプリがいろいろと登場していたようです。私は昔からある酵素を飲んでいましたが、その頃はもう飲まなくなっていたので、あまり関心はありませんでした。

新しい酵素会社が続々誕生

ところが、ある日ドラッグストアに行って何となく棚を見て歩くと、酵素コーナーができていてびっくりしました。知らない会社ばかりなので、酵素ブームに乗じて新しくできた会社が多いのだなと思いました。

それまでは、酵素メーカーは自社の工場を持ち、発酵熟成させたものを出荷していました。ところが、この頃には、ネットで調べると植物発酵エキスパウダーを買えるようになっていました。ご興味があれば、「植物発酵エキスパウダー」と検索してみて下さい。

つまり、自社で酵素を製造しなくても、植物発酵エキスパウダーを買って、どこかの受託工場でカプセルに詰めてもらえば酵素サプリが作れる時代になっていたのです。

酵素の効果ってなんだ?にぶつかる

新しく参入した会社は、全て外注で商品を用意できるのですぐに販売を始めることができます。「酵素」と商品名につけておけばある程度は売れるでしょう。

しかし、販売する側の社員も、そしてお客さんも、「どんな効果があるのか」という疑問にぶつかります。私もそれがわからなくて自分で調べたのでわかります。特に「酵素」といっているのですから余計わかりにくくなります。

「酵素」は化学反応に関与する物質名だからです。

それで、学問では全くない、著者の個人的見解である酵素栄養学を参考にするか、酵素ファスティングのことを知って、食事を抜いてその代わりに酵素を飲めばダイエット効果があることにしたのでしょう。

ダイエット効果はわかりやすく、他社と差別化できます。(効果があればですが・・・)

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むかし酵素断食があった

昔、1990年代初め頃までの話ですが、病気から回復して健康を取り戻すため、あるいはお腹の中を一度きれいにするため、また、精神修養のため断食道場に行って断食する人がいました。たまにテレビ番組にもなっていました。

ためしにタウンページで検索してみると、今は全国でも20軒くらいしかないようです。

今どきの健康法というと、テレビで紹介される簡単にできるものばかりになりましたが、その頃はまだずっと昔から続く健康法の教室に興味を持つ人がいて、本も出版されていました。

断食療法を食事療法の一つにしていた健康法でよく知られているのは、西式健康法です。私も何冊か本を買ったことがあります。(ただし、西式健康法は酵素と何も関係ありません)

http://www.nishikai.net/japan/

断食道場では、断食中、体が衰弱しないように、黒砂糖を少し食べさせたり、酵素や酵素と果汁や野菜汁を混ぜたジュースを飲ませているところがありました。たしかに、酵素を少し飲めば元気が出ます。

うろ覚えですが、短い人で3日くらい、少し長くなると7日から10日くらい。もっと長い人は21日断食すると読んだような記憶があります。昔の人はとても我慢強かったです。

断食の一番の目的は、腸の中に残っていた宿便(しゅくべん)を出すことでした。ずっとものを食べないでいると、あるときに真黒な便が大量にでるのだそうです。

それが出ると、体が回復し始めるということでした。

酵素は発酵食品なので、この宿便を出すためにも効果があったのではないかと思います。酵素にはこのような使われ方をした歴史があります。

私が酵素を飲んでいたとき、市販の酵素を飲みながら普通に生活しながら断食している人の話はたまに聞きました。

酵素ダイエットは食事を抜いただけ

新しく酵素業界に参入した会社の酵素ダイエットは、食事を抜いてその分を酵素で置きかえると説明されています。

酵素ブームが始まるまでの昔の酵素は、粉と、液体と、お味噌みたいなタイプのものしかありませんでした。それぞれ、それなりの量を飲むことができます。

しかし、カプセルに入ったような酵素サプリならどうでしょう。ごくごくわずかの植物発酵エキスしか入ってないカプセルをいくつ飲んでも、腹の足しにもなりません。

この場合の酵素ダイエットとは、単に食事を抜いただけです。食事を抜けば、多少やせるのは当然です。(笑)

まとめ

酵素ドリンクや酵素サプリを飲んだら体重が減る、ダイエットできることはありません。酵素ドリンクや酵素サプリを飲んでダイエットできるのは、単純に食事を抜いたからです。

「酵素」という商品名が、何か特別な作用があるかのように思わせているだけです。

酵素(植物発酵エキス)は、原材料と同量以上の砂糖を使用して製造されるため、カロリーが高い商品です。低カロリーの食品ではありません。

酵素は、食事を何日も食べずに断食している人の体を弱らせないように飲ませていた歴史があります。断食と酵素は関係がありますが、やせることと酵素は何も関係がありません。

酵素について詳しくお知りになりたい方は、まず、酵素について知りたいならまず最初にこのページから読んでほしいをお読みください。

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