全国の味噌の味の傾向はどんなだろう

全国の味噌の85%は米味噌でした。豆味噌は東海、白味噌は関西、麦味噌は中四国の一部と九州です。地域ごとの違いはよく知られていますが、全体の85%が米味噌とは少しおどろきました。

味噌樽

調べてみよう 都道府県の特産品 調味料編を読みました。

全国で造られる味噌の割合

米味噌 83%
調合味噌 7%
麦味噌 5%
豆味噌 5%

全体の83%が米味噌。圧倒的です。

次いで、7%が調合味噌。

調合味噌とは、米味噌、麦味噌または豆味噌を混ぜたもの。あるいは米麹に麦麹または豆麹を混ぜたものでつくった味噌のこと。主に愛知県と福岡県でつくられているそうです。

三番目と四番目が、それぞれ全体の5%で麦味噌と豆味噌です。

米味噌はほぼ全国で造られていますが、豆味噌は八丁味噌なので、東海地方。麦味噌は主に九州で造られています。

甲州味噌

ところで、本の中に甲州味噌が紹介されていました。取材先は、甲府市の五味醤油さんでした。

山梨県甲府市にある、創業150年の老舗味噌屋。手づくりの味わい残る、山梨独自の甲州味噌をつくっています。

甲州味噌とは、米と麦を使っためずらしい味噌と紹介されていました。

米の不足を補う麦麹

味噌は米や麦から麹をつくり、煮た大豆と麹を合わせて発酵・熟成させてつくります。

一般的に味噌に使う麹は一種類(東日本では主に米麹)ですが、「甲州味噌」は米麹と麦麹の二種類を使う、とてもめずらしい味噌です。

戦国時代、味噌は兵糧(戦での軍隊の食糧)にも使われ、武田信玄は味噌づくりを奨励したと伝わっています。

しかし、甲府盆地は水田が少なく、麹の材料となる米が足りませんでした。

そこで米の裏作に麦を育て、米麹に麦麹を混ぜて米の不足分を補ったのが甲州味噌の始まりです。

甲府盆地だから生まれた調味料といえるでしょう。

甲府は夏に行くととんでもなく暑いところです。盆地だから風で熱気が抜けていかないのかもしれません。この甲府盆地の特徴は、このように書かれていました。

山梨県は高く険しい山々に囲まれています。甲府市はせまい盆地で斜面が多く、米づくりが難しい地形です。

かつては麦を育てて主食とし、米は特別な日に食べるほど貴重なものでした。

米がとれない。麹は麹菌を蒸した米に接種して増やして使います。米が不足しているから麦を使ったというのが事情です。

九州では麦麹を使った味噌が標準的ですが、これも似た事情があるのでしょうか?

炊いた米と麦では風味が違うように、麹に違いがあると味にも影響があります。こんなふうに書かれていました。

関東や東北に多いさっぱりした米味噌に、九州の麦味噌のコクが加わったような味。

米麹と麦麹を使うので、米味噌と麦味噌のいいとこどり!

私は生まれも育ちも北国なので、麦味噌をつい最近まで(自覚して)食べたことがありませんでした。

しかし、たまたまもらって来た麦味噌が、うま味が濃くて驚きました。それで、急に興味を持つようになりました。

味噌の最大の生産県は長野県

味噌がどこで一番生産されているかなんて考えたことがなかったです。きっと、どこでも平均的に地元で消費するくらいは造られていると思います。ところが長野県は別でした。

長野県は1桁多いです。確かにスーパーで信州味噌を置いていないところはないですね。

味噌の生産県
長野 199,027トン
愛知 37,852トン
群馬 26,584トン
北海道 24,519トン
大分 17,108トン

各地の味噌の特徴

調べてみよう 都道府県の特産品 調味料編にはこのように説明されていました。それぞれは短いですが、深く調べてみたい気持ちになります。

全体的には、米味噌。東海地方は豆味噌。中四国の一部と九州が麦味噌という分布です。

北海道味噌

北海道は明治時代になってから開拓されたので、特に伝統的な製法はないです。ただ、大豆の産地です。

冷涼な気候を生かして長期間熟成させる辛口の米味噌。米麹が多めで塩分はひかえめ。すっきりしたかおりとまろやかな風味。

津軽味噌

長期間熟成した、赤色で辛口の米味噌は「津軽三年味噌」と呼ばれている。「じゃっぱ汁」などの郷土料理に欠かせない。

仙台味噌

伊達政宗公のころから続く伝統の味噌。赤色で辛口の米味噌。うま味が濃く、長期間にわたる熟成でつくられたかおりが特徴。

江戸甘味噌

江戸の甘味噌は、米麹をふんだんに使った贅沢な味噌だといわれることがあります。

仙台や信州の味噌と比べて2倍もの量の米麹を使った、風味豊かな味噌。熟成期間は短い。濃厚で甘く、粘り気のある味噌。

越後味噌

米どころ新潟県でつくられる、赤色で辛口の米味噌。麹が味噌の中にういたように見えるので、「越後麹味噌」とも呼ばれる。コクのある味。

信州味噌

米麹と大豆でつくる。淡色で辛口の米味噌。汁物や田楽などに用いる。全国でもっとも生産量が多く、広く普及している味噌。

東海豆味噌

原料に米麹や麦麹を使わず、ほぼ大豆と塩だけでつくる。長期間熟成させるため、濃いうま味を持っており、少し渋味もある。

関西白味噌

塩分量が約5%と低く、短期間熟成でつくられる米味噌。白味噌の代表格。色は少し黄味がかっている。雑煮、粕づけなどに使われる。

府中味噌

大豆の皮を取り除いてつくる。広島県の米味噌。白味噌が代表的だが、赤味噌もある。和え物や田楽などに使われる。

瀬戸内麦味噌

愛媛県、山口県、広島県など瀬戸内海沿岸でつくられる。麦麹をたくさん使い、こうばしい香りが特徴的。淡色で甘口の味噌。

九州麦味噌

麦味噌については、これから詳しく調べてみます。

九州全域で麦味噌がつくられている。温暖な気候のため熟成期間が短く、甘口のものが多い。麦味噌以外に合わせ味噌も多い。

まとめ

麦と米を比べると、麦の方がタンパク質が多く、パンや麺をモチモチさせるグルテンが含まれています。

タンパク質が多いと、アミノ酸が増えるので、うま味に影響すると思います。九州でなぜ麦味噌が広く使われているのか調べてみます。

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