日本酒はお米と水だけで造りますが、酒粕はたんぱく質が豊富で100gあたり15g程度あります。これは酵母が増えているからです。酒粕をたんぱく源と考えると、ある程度の量を食べるには8%あるアルコールがじゃまになります。酒粕を焼いて食べるとよいことがわかりました。
絵でわかる麹のひみつを読んでいました。この本は入門書のような体裁をとっていますが、もっともっと深いです。小泉先生が麹に興味を持って一通り研究されたことが網羅されています。塩麹とか甘酒を自分で作っている方が読むと、とても面白く読めます。
酒粕にはたんぱく質が多い
ところで、この本には酒粕についてこんなことが書かれていました。
清酒製造の際に出る酒粕にも機能性があります。酒粕はタンパク質や食物繊維,ビタミン類,ミネラル類を多く含んでいるので疲労回復,消化促進(つまりは整腸作用もある)によく、このほかにも総コレステロールを抑制する作用があるとされています。そしてもちろん美白効果も。
このように考えると,清酒を飲むよりも酒粕を上手に料理にとり入れて利用するほうが賢いかもしれません。米麹が栄養も旨味もアップして酒粕になっているのですから料理がおいしくならないわけがありません。是非,料理に酒粕をうまく活用してみてください。
酒粕は自分で買ったことはありません。甘酒の材料くらいにしか思っていませんでしたが、たんぱく質が多いと書かれています。
早速調べてみると、この通り。酒粕100gあたり、たんぱく質が14.9gもあります。比較のために赤味噌の成分も調べましたが、それよりも多いのです。赤身の肉は100gあたりたんぱく質が20g程度ありますが、結構、いい勝負しています。
食品成分 | 酒かす | 赤色辛みそ |
エネルギー | 215kcal | 178kcal |
水分 | 51.1g | 45.7g |
たんぱく質 | 14.9g | 13.1g |
脂質 | 1.5g | 5.5g |
炭水化物 | 23.8g | 21.1g |
灰分 | 0.5g | 14.6g |
※日本食品標準成分表2020年版(八訂) |
日本酒はお米と水だけで作りますが、酵母が増えてアルコールをつくります。日本酒は醸造酒としては世界一アルコール度数(20%くらい)が高くなるのですから、酒粕には酵母の残骸?がたくさん入っているでしょう。酵母にはたんぱく質が多いのです。薬局で売っているビール酵母と同じことです。
酒粕っておいしかったっけ?
酒粕というと思い出すのは甘酒。子供の頃、冬に甘酒を飲ませてもらうと、ちょっと味噌に似た風味があり、甘さに合わないような気がしていました。
私、味噌汁は好きなのですが、その記憶があるので今でも酒粕から作る甘酒はあまり飲みたいと思わないです。
ただ、大人になって、酒を飲み始めてからは、普通酒と吟醸酒では味や香りが全然違うので、吟醸酒や大吟醸酒の酒粕は、きっとおいしいのではないかと思っています。
酒粕っていくらぐらいするんだっけ?
酒粕は、秋に酒造りが始まって搾る時期になると、スーパーなどお店に並びます。あまり興味を持っていなかったので、いくらぐらいするのか知りませんでした。
アマゾンで調べてみると、使いやすそうな味噌の容器に入ったのがありました。福正宗 純米吟醸酒粕450g×3個というやつです。純米吟醸酒の酒粕です。練り酒粕ですぐに溶けるとレビューが書かれていました。
製造は、金沢の福光屋という酒造会社です。私はここのお酒は飲んだことはありません。
酒粕をたんぱく源とする
酒粕はたんぱく質が多く、味噌と違って塩が入っていないので、もし量を食べられるならたんぱく源になります。そのまま食べることってできるのかな?と思いました。
わさび漬けを自分でつくる
それでまず思い出したのが、わさび漬けです。
以前、わさび漬けの作り方調べたら意外と簡単でしたという記事を書いたことがあります。私はわさび漬けが好きで、奥多摩に行った時は必ず買って来ます。

ただ、材料になる生わさびはいつも手に入るものでなく、なかなかお値段もよいのです。ふと、チューブ入りのわさびや粉わさびを混ぜたらどうなんだろう?と思って調べてみると、紹介している人がいました。
わさび酒粕 △基本のレシピで紹介されていました。こちらも富山の酒造会社、玉旭酒造の方が紹介されています。これは真似してみる価値がありますね。
材料 (基本の比率)
酒粕:大さじ1
チューブわさび:1~2cm
または
粉わさび:小さじ半分強
醤油:数滴
ただ、わさび漬けは辛いので、一度にたくさん食べるものではないです。そして、酒粕自体、そのままだと結構アルコールが入っています。
酒粕のアルコール度数は約8%
月桂冠の酒粕について知る 賞味期限、保存方法、酒粕の種類を読むとこのように書かれていました。アルコール度数は8%あります。ビールより強い。たくさん食べると確実に酔っ払いますね。それはそれで楽しいかもしれませんけれど。
しぼりとられた酒粕には、デンプン・タンパク質・繊維質、発酵中にタンパク質が分解してできたペプチドやアミノ酸、ビタミン、もろみの発酵中に働いた酵母などが含まれており、これらの成分は栄養的にも優れています。アルコール分も8パーセントほど含んでいます。
アルコールを飛ばすには、加熱するしかありません。煮るか、焼くか・・・と思って調べてみると、焼き酒粕というのが出てきました。
酒粕を焼いて食べる
酒と良縁な「焼き酒粕」─ こだわりの晩酌、呑むなら作るべしという記事がありました。酒粕を焼くなんて、今日まで考えたこともありませんでした。
少し焼くだけで香ばしいつまみになるそうです。アルコールも飛ぶでしょう。
板粕を適当な大きさに割って焼くだけ。炭火のほか、アルミホイルを敷いたオーブントースターや魚焼きグリルなどでも簡単に焼けます。(中略)
表面がこんがりとしたら食べ頃です。焼きたてを味わうと中はほっこりとしていて、素材の旨みが口の中に広がります。酒粕を生で食べた時の食べにくさはなく、その食感はまるでお菓子のようです。
焼いて食べるなら、酒粕の水分は少ない方がよいでしょう。上で紹介した練り酒粕でなく、板状の酒粕を買った方がよさそうです。
アマゾンで調べると、西宮食糧 酒粕一番板粕300g×3というのがありました。
これなら、適当に切ってトースターで焼くとすぐに食べられます。どうやら酒粕をたんぱく源にするなら、焼くのが一番簡単な方法のようです。
NOTE
この記事を書きながら、発酵させたままのどぶろくが飲みたいなと思いました。もちろん、搾った日本酒はおいしいですが、たまにはそのままの酒を飲んでみたい。その方が、体にも優しそうだなと酒好きなので思ってしまいます。