わさび漬けの作り方調べたら意外と簡単でした

漬物学を読んでいます。昨夜台所の下を整理して、使えそうな空き瓶や梅酒漬け用のガラス瓶を出してきました。これから遊びながらあれこれ漬けてみようと思っています。

漬物学
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ところで、わさび漬けってお好きですか?私は好きで、観光地のおみやげ物屋さんで売っていたら必ず買います。静岡、長野、奥多摩でつくられているようです。酒粕で漬けているので、日本酒にとても合います。わさびの辛さがぴりっとしているのが好きなのですが、なかなかよいものがないです。

私のおすすめは、奥多摩、鈴木山葵農園のわさび漬け。奥多摩に行ったら必ず買います。奥多摩周辺のわさび販売をやっているところは、多分、全部回って確かめました。鈴木山葵農園のわさび漬けが一番おいしいです。

追加しておきます。奥多摩駅と御岳(みたけ)駅で買えます。10時くらいから営業とか。すごく久しぶりに御岳駅で買いました。2017年5月の話です。

御岳から沢井まで多摩川沿いを歩いて小澤酒造へ
起きたらすでに暑い。今日は暑くなるといっていたが、5時半でこの暑さなら、日中は30℃だろう。まだ5月なのにという声も聞かれるが、20年くらい前もこんな感じで暑い日が多かったような気がする。今日は自転車でなく電車だ。御岳にいって鈴木山葵農園の

ずいぶん昔は、新氷川トンネル付近に店舗があったのですが、現在は、奥多摩駅と御岳駅に売店を出しているようです。本店は吉野街道沿いにあります。

鈴木山葵農園のわさび漬け

鈴木山葵農園のわさび漬け

店舗に買いに行っていた頃は、ワサビの葉っぱを大量に抱えたおじさんがお店に来たり、お店の中でワサビの葉っぱを刻んでいたりしたので、どうやってつくるのだろうと興味津々でした。

わさび漬けパックの大きいのを2つ買うと、小さい生わさびを1個サービスしてくれるのが嬉しかったです。お店でつくっていたからこそのサービスだったのだろうと思います。

わさび漬けの作り方

わさび漬けは、茎と葉を刻んで10%の食塩(重量に対してでしょう)で1日漬け、翌日、根部を生のまま切断したものを合わせて酒粕と練り上げれば完成します。

あらっ?というくらい簡単なものでした。これなら材料があれば私でもできそうです。

わさび漬けにはJAS規格があって、内容重量に対する固形物割合がわさびの根茎のみの使用で20%以上、根茎と葉柄の併用の場合は35%以上で根茎を5%含むことになっています。

また、成分規格としては、アルコール2.5%以上ということになっているようです。

わさび漬けの配合(%)が出ていたので書いておきます。

わさび漬けの配合(%)
内容物JAS製品
塩漬わさび葉柄33
細刻み生わさび根茎10
砂糖6
アリルカラシ油0.1
カラシ粉
グルタミン酸ソーダ0.3
酒粕50.6

アリルカラシ油は、天然ワサビに含まれる辛み成分で、優れた抗菌性を発揮し、生鮮食料品や加工半生製品などの日持ち向上のための食品添加物としても使われます。

葉柄は、細刻みしてから10%の食塩を加え塩漬けします。上図の通り、塩漬けわさび葉柄を全体の33%に配分すると、全体の塩分は3%くらいになります。

酒粕は、酒の搾り粕にアルコールを加えて踏み込み熟成させるとありました。踏み込み熟成とは、酒粕をタンクに入れて踏み込んだあと、密封して貯蔵・熟成させたもののようです。踏み込むのは、空気を追い出してカビや微生物が繁殖しないようにするためです。

半年程度熟成させたものを踏込粕といって、奈良漬用に販売されているようですよ。ただし、奈良漬と違ってわさび漬けは酒粕をそのまま食べるので、酒粕が白色であるように、踏込粕は、半分は常温で熟成させたもの、半分は冷蔵しておいた白いものを混ぜて使うようです。

その時に35%の焼酎を10%(重量に対し)を加えます。すると全重量に対してのアルコール分が約3%になります。

わさびの辛みは塩漬けすると急速に壊れるそうなので、根茎は生のまま切って加えるそうです。

私はそばをゆでたときに粉わさびをよく使います。粉わさびは、ホースラディッシュ(西洋わさび)が原料です。

わさび漬けの本わさびはとても高いので、ホースラディッシュを使うことはないのかなと思いましたが、品質が落ちるらしいので使うことはないそうです。

わさび漬けどうやって食べます?

わさび漬けはカロリーが100gあたり145kcal。成分は、水分が61.4g、タンパク質7.1g、脂質0.5g、炭水化物28.0g、灰分3.0gです。

辛いのでたくさん食べるものではないですが、どうやって食べますか?

私は日本酒を飲むときに、少しずつ食べるのが好きです。いつもそのまま食べますが、ちょっと醤油を落としてもおいしい。

あとは、いつどこで初めて食べたのか覚えていないのですが、蒲鉾につけて食べるとかなりおいしいです。蒲鉾はアッサリしているので、わさびをつけても物足りないのですが、わさび漬けだと、酒粕に含まれるアミノ酸が適当なうま味になるので、ちょうどよいのです。

反対に、刺身にわさび漬けはよろしくないです。刺身にはうま味がありますから、こちらはわさびの方が食べたときの口直しになってよいです。

販売しているわさび漬けの賞味期限はだいたい1ヶ月くらいです。酒粕自体は保存性がよいと思います。わさびを入れてももつでしょう。賞味期限は、辛さが飛んでしまう期限なのかもしれませんね。

わさび漬け、どうやらつくるのはむずかしくないようです。酒粕は季節になると酒屋さんで売っているし、ネットでも手に入ります。そして2日で出来上がるのも分かりました。

わさびの葉っぱもネット検索すると簡単に手に入るようです。これは一度やってみる価値はありますね。

奥多摩のわさびは江戸時代から

江戸東京野菜 物語篇 (農山漁村文化協会 2009)を読むと、奥多摩のわさびの歴史が少し分かりました。

さて東京というと、ビルが林立する都市とのイメージが強いが、東京にも2000m級の山がある。東京、山梨、埼玉にまたがる雲取山(2017m)がそれだ。

その山ふところの沢で、かつて筏でも運ばれていた「奥多摩ワサビ」が、今も栽培されている。

奥多摩のワサビ栽培は独特で、ほかの産地では川に湧き出る伏流水を利用することが多いのに対し、奥多摩では標高300~1000mの山ふところにある沢で栽培されている。

最盛期のワサビ田は、奥多摩全体で20haにもなったという。文化8年(1811)に、奥多摩の小河内で約2万本のワサビが栽培されたという記録がある。

また文政3年(1820)発行の『武蔵名勝図会』の海沢村の項には「山葵 この地の名産なり、多く作りて江戸神田へ出す。村内に潤水の流れ多く、また柿平川という谷川もあれば、清水の流れは常に絶えず、土気も少なきように、小砂利の間へ挟み置きて、上の方より清水を不断に流して、又、多からず少なからぬように漑ぎぬれば、分根してその葉は少なく、その味はいと辛し、当村は山葵を作り出して、価百金余に至れる由。これより西に至る村々にても作れどこの地は殊に多し」と書かれている。

『奥多摩わさび 二十周年記念誌』によると、昔からワサビは、奥深い山ふところの厳しい自然環境のもとで栽培され、神田に出荷されていた。

しかし販売先を持たない生産者たちは、開田費用の融資から生産物の買い取り、出荷まで、地元の産地仲買人に管理されていた。

ワサビ田単位で安く買い叩かれることなどは、因習化していたという。

昭和19年(1944)に氷川(現・西多摩郡奥多摩町)まで鉄道が開通したことで戦後、生産者自ら始発電車で炭俵に入れたワサビを市場に持ち込み、競りにかけることを覚えた。

小口の仲買人が市場へ直接ワサビを出荷し高aい利益を得ているという噂が生産者に伝わったのである。

そこで生産者たちは、仲買商人を排除して個人で直接市場へ出荷しようとしたが、古里、氷川、小河内の村々では、仲買商人が生産者の親類縁者だったりで、青田買いの排除は激しい抵抗にあうなど難しかった。

昭和28年(1953)11月、それぞれのわさび栽培組合が合併して「奥多摩山葵栽培組合」を結成し、神田、築地の市場卸売会社との直接取引が実現、栽培技術の改善や、出荷体制が確立されていった。

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