本朝食鑑 (東洋文庫)

本朝食鑑という本草書があることを知り、調べてみると、平凡社から漢文を口語に翻訳されたものが今でも買えることがわかりました。オンデマンドなので紙は高く、電子書籍なら半額以下で買えます。

事典

いつもツイッターを見ているのですが、つい最近、本朝食鑑という江戸時代に書かれた本草書があることを知りました。

しかも、絶版になっていなくて、オンデマンドですが買えます。さすが平凡社。

電子書籍で買った方がかなり割安になっています。1~5まであります。

紙の本は、文字がかなり小さく、私は老眼鏡なしでは全く読めません。もともとは漢文の本ですが、もちろん翻訳されてこなれた口語で書かれています。明らかに日常使わない言葉にはふりがなが振ってあるので、読みやすく(わからないときは)調べやすいです。

ウイキペディアに簡単な説明がありました。

『本朝食鑑』(ほんちょうしょっかん)は、人見必大によって江戸時代に著された本草書。12巻10冊。元禄10年(1697年)刊。日本の食物全般について、水火土部・穀部・菜部・菓部・禽部・鱗部・獣畜部にわかち、品名を挙げて、その性質や食法などを詳しく説明する。食鑑中の白眉とされる。(中略)

本書の特徴として、庶民が日常よく用いる食品食物に詳しい解説を施していること、栽培・採取・加工・調理・味・食する時期や部位・種類・形状・産地など、摂取する食品の見分け方・取り扱い方が多岐にわたり記述されていること、食養生の観点から、効果・害毒気味・主治・附方・食禁などが論じられ、食品摂取と健康とのかかわりについて詳しい記述がなされていること、民間伝承・民間行事などの民俗や著者自身の生活体験、食品の無駄のない利用法など、記事の内容が豊富多彩で、たんなる百科事典的・専門書的ではない配慮も施されていること、食品分類が周到な配慮のもとに行われ、結果として食物本草学の百科事典といってもよいほど、多くの食品が取りあげられていること、文体が難解な漢文調で、したがって漢学的素養をもった者、すなわち武家や上層庶民でなければ使いこなせない内容高度の養生書であったことが挙げられている。

さらに味噌大全(渡邊 敦光著 東京堂出版 2018)を読むと、もっとわかりやすく書かれていました。

この書物は元禄一〇年(一六九七)、人見必大(ひとみひつだい)によって著されました。一二巻の一二冊本です。原文は漢文体ですが、読み下し文にしたものが平凡社の『東洋文庫』から刊行されています。

著者の人見必大は医師を生業とした人物です。中国の明王朝で一五九六年に刊行された『本草綱目(ほんぞうこうもく)』に依拠しつつ、庶民が日常的に食べている食材を医学の観点から詳しく解説しています。

内容的には一二巻中八巻が動物性食品に当てられており、特に当時の重要たんぱく源である魚類について多く言及しています。

また、民間行事との関連やことわざについても焦点が当てられており、江戸時代の風俗について知る上でも貴重な資料となっています。

いまは食品の栄養成分から「○×はビタミンCが豊富で肌によい」とか「△□は鉄分が多いので貧血によい」とか、そういう説明が多いのですが、科学が始まるずっと前から本草学があったので、興味があります。

たくさんの人の試行錯誤の数はこちらの方がずっと多いでしょう。

国会図書館の公開資料もありました。こちらは完全に漢文です。

国立国会図書館デジタルコレクション
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