もしあなたが酵素サプリを飲んでいるなら、1カプセル中の何割が植物発酵エキスなのか一度計算してみることをおすすめします。おどろくほど少ないものがあります。酵素サプリの栄養成分を100gあたりに直して、植物発酵エキスがどのくらい含まれているのか簡単な計算で出す方法をお教えします。酵素とは植物発酵エキスのことだからです。
酵素サプリの登場は好ましいと思ったのだが・・・
酵素サプリは、それまでの酵素(ドリンク)に比べてかなり安い価格で登場しました。酵素は、昔からある、いわゆる健康食品だったので、価格が高いものが多かったのです。
価格が下がるのはよいことだと思っていたのですが、ふとある日思いついて、酵素サプリの成分について計算してみたら、酵素サプリについて疑問を持つようになりました。
酵素の本質は植物発酵エキス
酵素って何だ?といわれたら、たくさんの植物材料を砂糖と一緒に発酵させたものだと答えます。砂糖は白砂糖か黒砂糖を使うかの違いがありますが、植物発酵エキスのことです。
植物発酵エキスは炭水化物です
今は、食品の栄養成分表示が義務づけられています。メーカーサイトを見ても、商品の下にたいてい栄養成分表が載せられています。こんなふうに書かれていると思います。
エネルギー | ○△kcal |
たんぱく質 | ×○g |
脂質 | ○×g |
炭水化物 | △×g |
ナトリウム | △△mg |
ところで、植物発酵エキスは、どんな成分になると思いますか?
以前、しっかりした歴史がある酵素ドリンクおすすめ3つという記事を書き、それぞれのドリンクの栄養成分表も調べて載せました。これらのメーカーは、「酵素ドリンク」なんてことばがない、ずーっと昔から酵素を製造しているメーカーです。

是非、記事を見ていただきたいのですが、少ないものでも全体の40%以上、多いものなら70%以上が炭水化物でした。炭水化物は糖質と食物繊維の総称です。
なぜ、こうなるかお分かりになりますか?
それは、もともと、原材料になる植物が炭水化物でできているからです。たまに、大豆のようにたんぱく質や脂質(油)が多いものもありますが、たいていの野菜や果物は水分と炭水化物からできています。
100gあたりに含まれる栄養成分のグラム数を計算する
栄養成分表は、100gあたりを載せているメーカーと、1回分を載せているメーカーがあります。もちろん、100gあたりを載せるメーカーの方が良心的です。
もし、あなたが飲んでいる酵素サプリの栄養成分表が1回あたりの量についてしか出ていなかったら、計算して100gあたりの成分量に直してみてください。
なぜ、100gあたりにするのかというと、他の酵素サプリばかりでなく、一般的な食品とも比較できるからです。
たとえば、カロリー。炊いたご飯は100gあたり160kcal。砂糖は380kcal。油は900kcalあります。それらと比較すればカロリーが高いものか低いものか分かります。
ビン入りの酵素ドリンクなら、中身は植物発酵エキスそのものですが、カプセルに入った酵素サプリは、そうではありません。
酵素サプリの栄養成分表示には植物発酵エキス以外のものも加わる
酵素サプリはそのまま飲み込むので、植物発酵エキスの他、カプセルそのものや、カプセルが溶けないように入れられた油、もしくは、植物発酵エキスを乾燥させたパウダーがカプセルの中で固まらないようにするために添加される材料が含まれています。
食品の栄養成分表示にはそれらがすべて反映されます。
100gに直すと、それら添加された素材に対して、植物発酵エキスがどのくらい含まれているのかはっきりします。
実際に計算してみよう
では、ためしに計算してみましょう。仮にこんな成分表の酵素サプリがあったとします。
エネルギー | 7kcal |
たんぱく質 | 0.2g |
脂質 | 0.5g |
炭水化物 | 0.2g |
ナトリウム | 0.15mg |
1回分が1gですから、100gに直すには、それぞれ100倍すればよいだけです。
エネルギー
7×100=700kcalです。カロリーがかなり高いなと思いますね。これは後に出てくる脂質(油)が多いからです。
たんぱく質
0.2×100=20gです。100g中20gがたんぱく質というのは多いのか少ないのか分からないですね。
このような時は比較してみるのです。
国産/黄大豆/ 乾 |
国産/黄大豆/ ゆで |
にんじん根 皮つき生 |
りんご 皮つき生 |
|
エネルギー | 422kcal | 176kcal | 39kcal | 61kcal |
水分 | 12.4g | 65.4g | 89.1g | 83.1g |
たんぱく質 | 33.8g | 14.8g | 0.7g | 0.2g |
脂質 | 19.7g | 9.8g | 0.2g | 0.3g |
炭水化物 | 29.5g | 8.4g | 9.3g | 16.2g |
ナトリウム | 1mg | 1mg | 28mg | Tr |
たんぱく質は、大豆には多いです。乾燥で33.8g、ゆでた大豆でも14.8gあります。しかし、にんじんやりんごにはほとんど含まれていません。
酵素を仕込む時に乾燥大豆だけを仕込めば、たんぱく質は多くなるかもしれませんが、他の野菜や果物もたくさん加わります。
それで、たんぱく質が20gというのは多いなと分かります。なぜ多くなるのでしょう?
不思議だなと思ったら原材料名を見る
このような時は、原材料名を見ます。たとえばゼラチンは使われていませんか?ゼラチンはカプセルの素材であり、90%程度がたんぱく質でできています。
もちろん、たんぱく質すべてがゼラチンだけではないと思いますが、ゼラチンによってたんぱく質の含有量が「ぐっ」と増えたと考えられます。
脂質
0.5×100=50gです。100gの中で半分が油です。油を搾る油料作物の大豆でも、100g中20gです。これはなんとも多い。
原材料名は、使用されている重量が多い順番に書かれています。きっと最初に油が書かれているでしょう。
油は、外側のカプセルが、中に詰めたものから出る水分で溶けてしまわないように入れられています。本来は、なくてもよいものです。
炭水化物
0.2×100=20g上で書いたように、植物発酵エキスは、ほぼ炭水化物だと思って間違いありません。
この酵素サプリでは20gすべてが植物発酵エキスなのかどうか分かりませんが、それに近いと思ってよいです。
ナトリウムは血圧が高い方など気にする人がいるので、書かれている場合が多いです。100gでは15mgありますが、無視してもよいくらいです。
100gあたりの栄養成分に直して分かること
さあ、これですべて計算し終わりました。改めて表にしましょう。
エネルギー | 700kcal |
たんぱく質 | 20g |
脂質 | 50g |
炭水化物 | 20g |
ナトリウム | 15mg |
もう一度しっかりした歴史がある酵素ドリンクおすすめ3つという記事を見ていただきたいのですが、栄養成分がまったく違っています。
もちろん、スタンダードになるのは、古くから作っている酵素メーカーの栄養成分です。
炭水化物が何グラムあるか
植物発酵エキスは炭水化物です。これが何グラムあるかで、カプセルに占める植物発酵エキスのパーセンテージを知ることができます。
この場合は、20gなので20%です。
酵素メーカーの昔ながらの酵素と比較して、ずいぶん少ないです。また、1カプセルあたり重量比で20%しか植物発酵エキスが入っていないのだなと理解できます。
酵素サプリを選ぶ時は、酵素サプリを100gあたりに直して、炭水化物が何グラム入っているか計算し、できるだけたくさん入っているものを選ぶのがよいです。
たんぱく質と脂質は何を意味するか?
たんぱく質と脂質を合わせて70gあります。上で説明したように、原材料に大豆がたくさん使われているなら話は別ですが、たんぱく質も脂質も、カプセルにするために使われる材料です。この場合は、全体の70%が酵素を包む材料になっています。
こちらは酵素を飲むことと関係がないので、少ない方がよいです。
NOTE
当初、酵素サプリは価格が安くてよいと思っていたのですが、残念なことに、安いのにはそれなりの理由があると考えられるものもありました。
酵素の本質は、植物発酵エキスです。1回飲む毎に、70%が植物発酵エキス以外の余分なものだったら実にムダです。
一時、酵素サプリに興味を持っていたのですが、今は、まったく興味を持っていません。酵素を飲むなら、昔からある酵素メーカーのものがよいと思いますよ。
こちらに酵素の話はまとめてあります。酵素について知りたいならまず最初にこのページから読んでほしい