しょう油の効能も味噌とそっくりだった

味噌の効果が分かる味噌力で味噌の効能を書きました。その時に味噌は、大豆、米、麹だから、しょう油はどうなんだろうと思いました。原料は似たようなものです。大豆、小麦、麹です。

しょうゆの不思議を読むと、しょう油の医学・生理学的効果についてでていました。味噌とやはり似ています。

この記事では、しょう油の効能について書きます。しょう油も血圧を上げるものとして減塩しょう油が使われたりします。うちの父も使っていました。品質は今はたいていのメーカーのしょう油はJAS特級以上だと思います。パッケージの後ろを見ると書いてあります。

しょう油小さじ1杯は、食塩1グラムに相当するそうです。それでグラム数を把握しながら、食塩を使う代わりに調味料としてしょう油や味噌を使おうと思いました。

有害菌の増殖をおさえる

しょう油には、食べものの腐敗や、食中毒などを起こす細菌の増殖をおさえる働きがあります。しょう油のpHは一般的に5前後の弱酸性になっています。食中毒を起こす、黄色ぶどう球菌や病原性大腸菌O157などの増殖をおさえる静菌作用を持っています。黄色ぶどう球菌は酸性の環境では増えにくいです。

また、病原菌(赤痢菌、チフス菌、パラチフス菌、コレラ菌など)を死滅させる力や増殖を抑える作用もあります。

がんの発生をおさえる

醤油には、300種以上の香気成分が含まれると云われています。

しょうゆ麹には、数十種類の成分が含まれ、ヒヤシンスやライラックの香り(フェニルアセトアルデヒド)、ゼラニウムやバラの香り(フェニール酢酸)や松茸、マッシュルームなどの多くのきのこの香り(マツタケオール)などがあります。

その中でも醤油の特徴香とされるのが4-ヒドロキシ-2-(or5)エチル-5-(or2)メチル-3(2H)-フラノン(ホモフラネオール;以下HEMF)です。HEMFは高濃度では強烈な甘い芳香を示しますが、微量では本醸造醤油の香りになります。

そのほかにHEMFと同じくフラノン類であり、パイナップル、イチゴの4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3(2H)-フラノン(フラネオール;以下HDMF)や4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン(ノルフラネオール;HMMF)など醤油が有するキャラメル香の形成に寄与しています。

また、火入れと酵母によってつくりだされる4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン(以下HMF)は焼き栗のような香りがあります。

これらフラノン類と、火入れでできる色の成分「メラノイジン」は抗酸化作用を持っています。そして「メラノイジン」は味噌の色でもあります。

「メラノイジン」とはメイラード反応によって生じる褐色色素のことです。化学より料理に関係があります。パンを焼いたり肉を焼いたりすると色が変わっておいしそうなにおいがしてきます。それがメイラード反応です。メイラード反応についてとても楽しく読めるのは、基調講演メイラード反応とは何か?でしょう。

メラノイジンには、遺伝子を傷つける作用を抑えたり、胃がんを起こすニトロソアミンの生成を抑える効果があります。この効果は味噌の効果が分かる味噌力で書いたことと同じです。

血圧を下げる

しょう油は高血圧の原因だとずっと思っていました。しょう油をかけすぎるなと子供の頃から親にずっといわれていたからです。

食塩1グラムは、小さじ1/5でしょう油小さじ1杯の食塩量に相当するそうです。料理をするときに塩の代わりに味を壊さない程度に使ってみたいですね。

しょう油には食塩の排出に作用する、カリウム、マグネシウム、アミノ酸を豊富に含んでいます。

また、血栓ができるのを抑えるβ-カルボリン類のMTBCとMBCと呼ばれる物質が含まれています。

糖尿病の予防に役立つ

食後の血糖値の急激な上昇は、糖尿病の原因となり、また悪化させることにつながります。しょう油の中のメラノイジンは、食後の血糖値の上昇をおさえる働きを持っています。

メラノイジンは、すい臓が出すトリプシンというタンパク質分解酵素を協力に阻害します。消化作用が阻害されると、すい臓の機能が高まります。すい臓からインスリンの分泌が多くなって血糖値の上昇が抑えられるようになります。

ちょっと間接的ですが。

抗白内障の作用がある

白内障は水晶体が濁って視力が低下する病気です。高齢者に多いですね。しょう油の香気成分のフラノン類には、白内障の進行を遅らせる作用があります。

消化を助ける

しょう油には胃液の分泌を促進し、食べた物の消化を助ける働きがあります。また、メラノイジンは、排泄物が腸内にとどまる時間を短くし、便秘を改善する働きがあります。また、メラノイジンには、腸内で乳酸菌が増えるのを助け、善玉菌を増やす働きもします。

メラノイジンは褐色色素ですから、普段買うときは、色の濃いこいくちしょう油の方がよいのかな?書いていて、何かの症状を改善するためにというより、安心して使える調味料だと思いながら使いたいと思いました。

しょう油についていくつか記事を書いています。他の記事は、しょう油についての記事でご覧下さい。

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