醤油のかしこい使い方

今は料理が洋風になっているので、醤油を使うのは納豆や刺身や冷や奴を食べるときなど限られた時だけになっていませんか?しかし、醤油は優れた調味料であり、塩を使うだけより味に深みもでます。この記事では、醤油の使い方を紹介します。

しょう油

醤油を使うことが増えた

このブログを始めてから醤油と味噌を使うことが増えました。特に塩の代わりに醤油を使うことが増えました。以前は、根拠もなく醤油は高血圧の犯人だと思っていたのです。

今は、カレーにも使います。特にうま味の強いたまり醤油はトマトと合い、カレーの味が決まります。

もう一つ、私はツナ缶を入れたパスタが好きなのですが、いつも使うツナ缶はノンオイルなので開けたときに少々生臭いのです。ちょっとだけ醤油を垂らすとすぐに生臭さが消えるのは、化学変化かなと思うくらいです。

醤油 (至宝の調味料)という本を読みました。アスペクトが20世紀の終わりにこんな本を出していたとは。もう絶版ですが、古本ならかなり安く買えるようです。

醤油の使い方の基本が面白かったので、いくつか紹介しましょう。

醤油で味を整える

吸い物や炒め物などの調味の仕上げに醤油を加えると、ほんのわずかな量でもコクと風味がつきます。ただし、早めに加えると香りが逃げるので、火を止める直前に入れましょう。香りの成分は加熱によって失われやすいので、火を使う料理にはできるだけ、味つけの最後に加えるようにします。

味をよく煮含めたい時は、数回に分けていれ、香りを逃がさないように上手に醤油を使いましょう。

私の場合、醤油の香りは、必要な時と不要な時があって、例えばカレーにはいらないです。醤油の香りは少量でも分かります。あとで足したら、醤油を入れたと分かりますね。もちろん、煮込めば飛んでしまうので、煮込みます。塩と違ってアミノ酸が入った塩味なので、味が確実に複雑になりよいのです。

においをとる

鮮度の悪い魚などに醤油をかけると、醤油特有の香りの成分が、生ぐささをとります。魚は鮮度が落ちるに従って、魚肉のアミンなどのくさいにおいの物質が生成されます。これらのアミンは、醤油に含まれている乳酸により、中和されるからです。

また、魚や肉のようににおいのあるものは、下ごしらえの段階で醤油と味醂のたれに浸しておくと、くさみがとれます。とくに肉は、魚と違って脂質の量が多く、たれの成分が肉に浸透するには時間がかかるので、魚より長く漬けておくほうがいいでしょう。

乳酸で中和されるとは、やはり化学変化でしたか。魚臭さを消す早さは本当に瞬時という感じがします。

たくさん使わなくてもにおいが気にならなくなるので、ツナ缶の魚くささが気になるときは、ちょっとだけ醤油を垂らすと効果的です。特に、ノンオイルのは魚くさいのが多いと思います。私はツナ缶からDHAとEPAを摂ろうと考えてます。油漬けのはいらないのです。

醤油洗い

醤油は食塩濃度が高いために浸透圧の作用があります。豆などを煮るときに、醤油を一度に加えると、豆の水分が吸い出されてしわがよったり、固くなったりした経験をおもちのことでしょう。

そのため、醤油で材料を煮る場合は、醤油にだしか水を加えます。

この浸透圧の作用を利用したのが、醤油洗いで、青菜類をおひたしやあえ物などにするときに、茹でて絞ったあとに、だし割醤油をかけてもう一度絞ることをいいます。こうすると水分とアクが取れて水っぽくなく作ることができます。

醤油洗いなんて初めて知りました。確かに小松菜を茹でて絞っただけで食べると水っぽく感じることがよくあります。浸透圧を利用するなら、だし割醤油をかけたら少し置いておくのでしょうね。

うっかり忘れたらしょっぱくなってしまいそうですが、これはよいことを知りました。早速、やってみます。

焦げ味をつくる

醤油の焦げた風味はチャーハンなどをおいしくします。炒めた後に鍋肌から熱い鉄板を流れるようにまわしかけ、ジュッと焦がして、ひと混ぜすると香ばしく仕上がります。手早く入れて、焦げすぎないようにしましょう。

醤油の焦げたにおいは、何であんなに魅力的なのでしょう。屋台のいか焼き、焼き鳥屋さんのにおい、うなぎ屋さん・・・などなど。

椎名誠さんや、農大の小泉先生の本には醤油焦がしの話がよく登場します。

私の場合、一番最初の洗礼は、みたらし団子だったかもしれません。

塩味をやわらげるのに利用する

塩味の濃い漬物や梅干しなどに少量の醤油をかけると、塩味がやわらぎ、風味もよくなります。醤油に含まれる乳酸などの働きにより、塩と酸味の調和がとれるからです。塩焼きの魚などに醤油をかけると塩味がやわらぎ、おいしくなるのもそのためです。

これは、なかなかやる人は少ないのではないでしょうか?何しろ、減塩は私が子供の頃からずっといわれています。

しかし、確かにしょっぱいものは塩味が立っていて、舌に刺激的に感じることがあります。特に漬物みたいにあまりアミノ酸が入っていないものだと感じます。

たまに年配の方がやっている居酒屋で漬物を頼むと、醤油がかかって出てくることがあります。気にはしないですが、一瞬「醤油は余分だ」と思います。しかし、案外塩味をやわらげるためにかけてくれていたのかもしれません。

しかし、一番よいのは、塩と醤油を一緒に使って、ほどほどの塩味にするのがよいですね。

しょう油についていくつか記事を書いています。他の記事は、しょう油についての記事でご覧下さい。

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