酵素風呂に入ったことありますか?

酵素を飲んでいる方なら、酵素風呂のことはきっとご存知でしょう?入ってみたことはありますか。もし、一度も入ったことがないなら、ものは試し一度入ってみるとよいですよ。発酵の力でこんなに高熱になるのかとびっくりします。

酵素風呂の温度計

昔、酵素風呂のお店のご主人と知り合いになり、お店のページをつくってあげたことがあります。昔のことで、サイトを持っているお店がそれほど多くなかったので、雑誌の取材を受け、ラジオまで取材に来たので当時は効果がありました。

ついでに、私も何回か入れてもらいました。

酵素風呂のお客さんは圧倒的に女性が多いそうです。女性は冷え症に悩まされている方が多いのと、入っていると肌がきれいになるのだそうです。確かにお店の奥さんは肌がきれいでした。あとは、酵素を飲んでいる人と、病気をして体調維持のために温めるために来る人など。

男性は少ないですが、健康オタクで知識が豊富な人が来るということでした。

酵素風呂は70℃くらいになる

酵素風呂は、木くずと米ぬかを発酵させたものの中に入るのですが、独特なにおいがします。発酵食品が好きな人は気にならないでしょうが、発酵臭が嫌いな人はだめかもしれません。とはいっても、においはすぐに慣れてしまいます。今思い出していましたが、乳酸菌のにおいなのかなという気もします。少し酸っぱいにおいです。

木くずを発酵させる菌は高温になると聞いたことはありましたが、70℃くらいになります。温度計をさして見せてくれましたが、初めて見たときはびっくりしました。

「だ、大丈夫なんですか?」

もっとも、表面はほんのり暖かい程度にしか感じません。しかし、ちょっと手で掘ると、すぐにじわりと熱い温度を感じました。

70℃のお湯に入るとやけどしますが、木くずの中には空気がたくさん入っているので、やけどするようなことはありません。70℃のお湯なら手を入れていられないですね。

実際に入る時は、裸になって湯着というフード付きの木綿の服に着替えて入ります。

入る前に酵素ドリンクを1杯飲ませてもらいました。

酵素風呂の管理は、結構な手間らしいです。空気を通していないと温度が下がってしまうので、休業日も翌日にそなえてかき回して空気を入れるためにお店に出てくるそうです。

酵素風呂はじわじわと確実に温められる

酵素風呂に埋めてもらうと、すぐに背中が暖かい感じがしますが、やけどするほどではありません。70℃という温度が頭から離れないのですが、風呂に入っている時より、温度の伝わり方はゆっくりです。

まずは人が入る穴を掘ります。湯気が上がります。

こうやって穴を掘ってもらった中に埋めてもらうのです。砂風呂みたいです。中はサラサラしています。穴を掘ると湯気が立ちます。

酵素風呂

全身を埋めてもらう

穴の中に横たわって埋めてもらいます。

背中がぽかぽかする感じで、上にかけられた木くずは案外重く感じます。最初は大したことはないなあと思いましたが、何しろ、もともと70℃の熱源なので、じわじわと確実に温められます。

熱いお湯に無理して入った時に感じる圧迫感はないのですが、確実に温められます。

完全に埋められた状態で15分。お湯に浸かっているのと違って顔から上は涼しいですが、汗が噴き出してきます。

汗がどんどんでてくるので、「ガマン比べすると卒倒しそうですね」と聞くと、たまにそういう(気分が悪くなる)人がいらっしゃるそうなので、ほどほどが一番よいです。

上半身を起こしてもらう

ここで、体を起こしてもらい、水を1杯もらいます。腰から下だけをさらに温めて10分。上半身を外にだしているので、熱さは前ほど感じません。

お尻を温めている感じです。お腹をこわしているときにお尻を温めると気持ちがよいですが、その時と同じ感じがします。

腹ばいでお腹を温める

さらに腹ばいになって10分。足も外に出したので、暖かいのはお腹だけです。寒い時も暑いときもお腹を温めるのは気持ちがよいです。

お腹を温めて終了です。湯着の木くずを払ってもらって、シャワーを浴びて汗と木くずを落とします。風呂上がりに麦茶を飲ませてもらいましたが、このときばかりはビールよりうまいと思いました。

酵素風呂の効果は?

私が入れてもらったのは夏でした。

夏の暑い日に入ると快適に感じる

暑い日にもっと熱い酵素風呂なんてと思われるかもしれませんが、出て来たら涼しく感じます。考えてみたらサウナも同じように感じました。

そして、エアコンがガンガン効いた電車に乗って戻って来ましたが、エアコンが寒く感じなかったです。暑いところも寒いところもそれほど身に応えるような感じがしなかったです。真夏の外と室内の温度差は疲労の原因になりますが、そんなときこそ入ってみるとよいと思います。

肌がきれいになるらしい

さらに酵素風呂のにおいは翌日まで体からしていました。その日も自宅で風呂に入って石けんで体を洗っていますから、毛穴の奥まで酵素風呂のにおいがしみ込んでいたのかもしれません。

ひょっとすると、毛穴の中に酵素風呂の成分?が入るのかもしれませんね。また、毛穴にたまった老廃物が出て行くのかもしれません。

酵素風呂では菌がせっせと発酵して木くずや米ぬかを分解している最中なので、分解されたものが肌に触れ、また、体からもかなり発汗するので、これが肌がきれいになる理由なのかなと思いました。

サウナは自分が発汗するだけですが、酵素風呂は、木くずや米ぬかの分解成分が、皮膚をきれいにしてくれるかもしれません。ご主人に聞くとやはり女性の肌がきれいになっていくそうです。

しばらく通って入ってみると肌にどんな変化があるのかなと思いました。

冷え症の人も温まる

酵素風呂のお客さんが増えるのは、冬だそうです。何しろ、70℃の木くずでジワジワ確実に温められるので冷えている人にとっては効果的です。家庭の風呂より銭湯や温泉の大きな浴槽の方が温まるのは、お湯の量が多くて人が入っても冷えにくいからです。しかし、酵素風呂なら発酵熱が出続けているので、確実に温めてくれます。

効果を期待する人は週1回の頻度がよいらしい

ご主人に「毎日入れてよいですね」といったら、「そんなに入ったらくたびれちゃうよ」とのこと。どのくらい入っているのか聞いたら、週に2回くらいだそうでした。冷え症の人は週に1回入りにくるとよいそうです。

酵素風呂に入ってはいけない人

酵素風呂はじわじわと確実に温められます。心臓の悪い方や高血圧の方は避けた方がよいと思います。その他、気になる方はお店に行く前に電話で聞いてみると教えてくれると思います。

酵素風呂の原理が分かった

酵素で土をつくる島本微生物農法 (民間農法シリーズ)を読んでいたら、木材クズ堆肥(チップライト)のことが書かれていました。多分、これが酵素風呂の原理だと思います。

この本を書かれた島本邦彦氏は、株式会社酵素の世界社の社長さんです。

島本微生物工業株式会社 | 微生物と酵素の力を最大限に生かす-自然と人に優しい土づくりと農業
1940年代に日本で初めて微生物資材の開発に成功した微生物と酵素のパイオニア、島本微生物工業。現在も世界の第一線で研究開発を行いながら、世界各地で農法技術の指導支援を行っています。自然の恵を最大限に生かした微生物農法は、未来に受け継ぐ土壌の健全化や、食糧供給の安定化、作物の栄養・質の向上など様々な恩恵を与えてくれます。

本の中では、このように説明されています。昭和20年代初めの頃の話だそうです。

たまたま町の製材所で、雨にぬれて燃料にならない古いノコクズや樹皮の山を見て、青草やイナワラと同じ植物繊維の有機物、堆肥材料として利用できぬはずがないと、極めて単純な発想からその堆肥化に取り組んだのがはじまりである。

ちょうどサツマイモの収穫期でイモづるが豊富にあったので、ノコクズとイモづるをサンドにしながら酵素堆肥を堆積した。

一両日中で予想を上回る高熱発酵になった。このすさまじい発酵に驚きながら、数日おきに切返しをくり返しながら一ヶ月も堆積したところ、褐色の堆肥らしいものができた。

木材クズにはリグニンセルロースという固く分解しにくい成分が多く、また、農作物の生育阻害物質も多かったため、それまでは木材クズは堆肥や肥料にならないということが常識だったようです。

木材クズの発酵は高温になる

しかし、好気性発酵微生物による持続的な高温発酵や放線菌や繊維分解菌の作用とで、分解がむずかしいと思われていた固い組織がかなり短い期間に分解されることが分かりました。

C/N比(炭素率)という用語があります。炭素(C)と窒素(N)の比率を表していて、分母は窒素(N)です。

炭素率について、土と肥料_基礎用語では以下のように説明されていました。出典

C/N比がおおむね二〇を境として、それより小さい(つまりチッソが多い)ほど、微生物による有機物分解が早く、すみやかにチッソが放出され(無機化)、反対にC/N比が大きいほど分解が遅く、むしろ土の中のチッソが微生物に取り込まれる(有機化)といわれている。

C/N比の小さい有機物を土に施すと肥料効果は高いものの、土壌改良効果は低く、過剰施用には注意が必要になる。

いっぽうC/N比の大きな有機物を土に施すと、作物の利用できるチッソが少なくなって一時的なチッソ飢餓の心配があるものの、微生物や腐植を増やし、保肥力を上げる効果がある。

窒素を加える

木材は炭素率が極めて高いそうです。もともと分解が遅い性質があります。そのため、C/N比を下げるために、窒素分としてアンモニア、尿素などを足さなければなりません。

この本では、鶏糞をすすめていましたが、酵素風呂の中に鶏糞は使えませんから、窒素肥料を何か入れているのではないかと思います。

しかし、単純な窒素化合物で補給した場合は、糖分を添加する必要があるそうです。

米ぬかは木くずの分解に必要で足している

この糖分に相当するのが、米ぬかでした。米ぬかは、100gあたりおよそ半分の50g程度が炭水化物です。容易に糖分に変わります。

標準木材クズ堆肥の材料例が書かれていました。

材料数量
木材クズ1000kg
鶏糞(乾燥)250~300kg
米ぬか30kg
バイムフード1.5kg
(水分)(65%)

鶏糞は、他の窒素化合物、例えば硝酸態窒素を含む化成肥料などになるのかと思います。バイムフードは、島本微生物農法で使われる微生物資材なので、実際の酵素風呂では、別な物が使われているでしょう。

しかし、だいたい同じ原理で発酵させているのではないかと思います。これで発酵させると2~3日で60℃以上になるそうですよ。

堆肥を作りながらその中に人が入って元気になるってよいですね。人が入ると汗をかいて塩が出ますから影響があるかもしれませんが、よい堆肥ができそうです。

例えば、寒い地方で、木材クズ堆肥を温室の中の一区画でやったら、熱源になるのではないかなんて思います。

植物酵素について詳しくお知りになりたい方は、まず、酵素について知りたいならまず最初にこのページから読んでほしいをお読みください。

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