「酢玉ねぎ」は話題になりましたが、「酢しょうが」もあるそうです。しょうがは食べておいしいだけでなく漢方薬に材料としてよく使われます。つくる時は、少し加熱すること。こうすると有効成分のジンゲロン、ショウガオールを増やすことができます。
「酢しょうが」もあった
酢しょうがで体すっきり! ずっと健康!を読みました。酢玉ねぎの威力の実際は知っていますが、今度は酢しょうがとは。
辛みの効いたおろししょうがは、うどん、冷麦、素麺には欠かせません。熱いうどんにネギとしょうがをかけて食べると、本当に温まります。冷や奴にも欠かせないですね。
ずいぶん昔のことですが、風邪の引き始めに薬局に行って葛根湯を買ったら、本当はこうやって飲むんだよと、年配のご主人が、しょうが湯に葛根湯を溶かして飲ませてくれました。
それ以来、葛根湯は教えてもらった通りに飲んでいます。
その時にご主人は、たいていの漢方薬にはしょうがが入っているといってましたが、この本にも書かれていました。
しょうがは、生のものをただ乾燥させたものは「生姜」(ショウキョウ)、蒸して乾燥させたものは「乾姜」(カンキョウ)として、クリニックで処方されている漢方薬の約80%に含まれています。
私は好きなのでカレーを毎週のように作ります。いくつかのスパイスを合わせますが、ニンニクとしょうがは必ず入れるものです。
しょうがの辛さは何となく神経にも刺激があるように感じています。しょうがの主な効用は次のようにいわれています。
- 冷え症の予防、改善
- がん予防
- 風邪などの感染症予防
- 食欲増進
- 殺菌効果
しょうがの成分
しょうがの原産国は熱帯アジア。インドや中国では紀元前から利用されていました。日本へは奈良時代に伝わり、江戸時代には栽培が始まったといわれています。(野菜の新図鑑)
ところで、昔から漢方薬に使われてきたしょうがの成分を調べてみました。いわゆる成分分析ではたいしたことはありません。
エネルギー | 30kcal |
たんぱく質 | 0.9g |
炭水化物 | 6.6g |
カリウム | 270mg |
カルシウム | 12mg |
マグネシウム | 27mg |
鉄 | 0.5mg |
銅 | 0.06mg |
ビタミンA | 5μg |
ビタミンD | 0mg |
ビタミンE | 0.1mg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
葉酸 | 8μg |
ビタミンC | 2mg |
食物繊維(総量) | 2.1g |
参考文献:野菜の新図鑑 |
しょうがの有効成分は、辛み成分、ジンゲロンと、香り成分のショウガオール、同じく香り成分のジンギベレンやシトロネラールにあります。
- ジンゲロン:ショウガの主要な香り成分の1つです。辛みはありません。免疫力アップや血行をよくして体を温め、発汗を促す作用があるので、風邪予防に役に立ちます。もちろん、冷え症にもよいです。
- ショウガオール:辛み成分です。貯蔵や過度の熱を加えられた際にできます。
またショウガオールと共に抗酸化作用も高く、また、さわやかな香り成分のジンギベレンやシトロネラールには胃腸の働きを助ける作用や、胃液の分泌を促してくれる作用があります。
香味づけに利用されるしょうがは、根の部分を収穫後、数ヶ月貯蔵したものだそうです。貯蔵しているとしょうがの水分量が減り、相対的に香り成分が増えるのです。収穫したての春にでまわるものは、新しょうがと呼ばれています。(野菜の新図鑑)
道理で、普段買うしょうがと新しょうがの皮の色が全然違います。
これから酢しょうが、ガリの作り方を書きます。
作り方を読んでいただければお分かりになると思いますが、酢は発酵食品ですが、酢しょうがとガリは酢に漬けたしょうがで発酵食品ではありません。
酢しょうがの作り方
酢しょうがの基本はとても簡単です。
【材料】
- しょうが・・・・・200g
- 純米酢・・・・・200ml(お酢はりんご酢、ワインビネガー、黒酢などでも可)
- はちみつ・・・・・15g
(砂糖の場合は45g)
密閉できる容器(ジャムの空き瓶でOK)を用意してください。
【作り方】
- しょうがを刻む。
皮をむいたしょうがをみじん切りにする。おろし金でおろすと辛みが強く出ます。 - 電子レンジで加熱する。
耐熱容器に入れて、600wの電子レンジなら4分加熱する。加熱するのは、ジンゲロン、ショウガオールを増やすためですね。 - 酢を加える。
煮沸消毒した容器に2.を移します。純米酢200mlを入れます。 - はちみつを加える。
はちみつを15g(大さじ1)計り、3.に加える。かき混ぜてふたをして冷蔵庫で保存します。冷蔵庫で保存して2週間くらいもちます。
酢玉ねぎはそのまま食べていましたが、酢しょうがは、みじん切りにしたりおろしたりするので、飲み物に混ぜたり、料理に混ぜて使います。
ところで、ここまで書いてきて、お寿司屋さんで出てくる「ガリ」とどうちがうのだろうと思いました。早速、がりの作り方も調べました。
ガリの作り方
私は子供の頃からガリが好きでした。酢しょうがガリと同じなら、食事の時にガリを漬物代わりに食べるとかなり満足できます。
ガリの作り方について調べたら、一番砂糖を使っていないクッキングSパパさんのレシピがよさそうでした。
材料
- 新生姜400g
- 甘酢
酢200㏄
砂糖50g
塩小さじ1
砂糖の量は増減できるようですが、あまりに少ないと突き刺さるような辛さになると書かれている方がいらっしゃいました。



作り方は、ガリの方が手間がかかります。
まず、ガリを漬ける甘酢を作る必要があります。
甘酢の材料を全て合わせて鍋に入れ、火にかけます。砂糖と塩が溶けたらすぐに火をけして冷ます。
しょうがの皮をむいてスライスしたら、塩小さじ1をまぶして5分ほど放置する。5分放置後に水洗いして多めのお湯で2分ほど茹でる。
加熱しているので、しょうが成分が増えそうです。加熱時間が長くなると、だんだん辛みは抜けていきます。
あとはレシピをよくご覧下さい。ガリは甘酢に漬けて2~3時間後から食べられます。私は酢しょうがとしてガリを作ろうと思いました。
加熱して甘酢をつくるのではなく、普通に酢を使ってみます。しょうがを加熱するのは必要なことですね。
酢しょうがの効果
酢しょうがで体すっきり! ずっと健康!では、酢しょうがで期待できる効果について、主に次のように書かれていました。
- 脂肪燃焼とダイエット
ジンゲロールには血液サラサラ効果や血管拡張効果があり、血流が増加すると体が温まります。基礎代謝が上がると脂肪が燃焼し、ダイエット効果も期待できます。 - アンチエイジングと美肌・美白効果
酢しょうがの抗酸化力で活性酸素に対抗します。 - 免疫力アップ
ジンゲロールは、自分を外界からの異物だと身体に思わせることで、免疫細胞を刺激する効果があります。ジンゲロールを摂取することで、体内の白血球の数が増加します。また、しょうがも酢も殺菌作用が強く、外から浸入してくる細菌に対抗します。 - 高血圧と動脈硬化予防
ジンゲロールは、血小板の粘りを抑えて血栓を防ぐ効果があります。また、血管を拡張して血行をよくする働きがあります。お酢にも血管を拡張する働きがあります。 - 血糖値の改善と糖尿病の予防
しょうがやお酢には血糖値を下げる効果があることが知られています。 - 胃腸の環境改善と消化促進
酢しょうがは胃腸の血流をアップさせ、その働きを活性化させます。唾液や胃液の分泌を増やして消化吸収を助けます。 - 鎮痛と解熱作用
しょうがは漢方では解熱・鎮痛剤として使用されています。
発酵食品が好きになると、だんだん冷蔵庫の中にビンが増えていきます。
お酢についていくつか記事を書いています。他の記事は、お酢についての記事をご覧下さい。