明治のR-1ヨーグルト、正式には、明治プロビオヨーグルトR-1というのだそうです。一時全く買えなくなっていました。インフルエンザにならないというのが合言葉になっていたような気がします。
R-1ヨーグルトに使われている乳酸菌はどんなものなのでしょう?その他効果についても調べてみました。
発売日は2009年12月1日。2012年の1月にテレビで相次いで報道され、品薄になったのだそうです。
その頃のことは何となく覚えています。おばさんたちの間で「買えた」「買えなかった」とすごく話題になっていましたっけ。
R-1ヨーグルトの成分分析
明治のサイトには112gあたりの数字が表になっていましたが、私はこのサイトで常に100gあたりの表を載せているので、100gあたりに直しました。
成分としては、普通のヨーグルトです。前にも書きましたが、ヨーグルトの成分表は牛乳とほとんど変わりません。
エネルギー | 79.5kcal |
たんぱく質 | 3.5g |
脂質 | 3.0g |
炭水化物 | 9.6g |
ナトリウム | 46.4mg |
カルシウム | 123.2mg |
R-1ヨーグルトの乳酸菌について
ヨーグルトは Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricusと Streptococcus thermophilus をスターターとして使ってつくられます。この2つの菌を使わないと国際規格ではヨーグルトと認められません。
1073R-1乳酸菌
R-1ヨーグルトに使用されている菌は、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus OLL 1073R-1とStreptococcus thermophilus OLS3059です。
Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus OLL 1073R-1は、明治のサイトでは1073R-1乳酸菌と紹介されているので、ここでも同じようにしましょう。
明治ブルガリアヨーグルトと菌属、菌種まで一緒ですが、菌株が違います。菌株が違うと性質がずいぶん変わるのですね。
ちなみに、明治ブルガリアヨーグルトに使用されている菌は、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 2038株とStreptococcus thermophilus 1131株です。
Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 で発酵したヨーグルトおよび産生多糖体の免疫賦活効果によると、1073R-1乳酸菌についてこのように書かれています。
L. bulgaricus OLL1073R-1(以下,1073R-1 株)についてもリン酸化多糖体を産生し,Viili の多糖体と同様に in vitro での B 細胞マイトジェン活性,マクロファージ活性化といった免疫賦活作用が報告されている。
Viiliはフィンランドのヨーグルトです。in vitroは試験管の中の意味。B細胞は免疫細胞の一つです。マイトジェンとは、分裂促進物質のことです。マクロファージは貪食(どんしょく)細胞と呼ばれ、異物をパクパク食べてしまう免疫細胞です。
リン酸化多糖体をつくる菌株が、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricusというブルガリア伝統の菌種では、とても珍しいのだと思います。
R-1ヨーグルトの効果について
この論文では、1073R-1乳酸菌の効果について、次のように書かれています。
- 健常高齢者にとって風邪にかかるリスクの低減効果がある。
- NK細胞の活性について、摂取前にNK活性が低いグループで1073R-1ヨーグルトを食べた人のNK活性が目立って上がった。
免疫力が上がって風邪にかかりにくくなり、実際NK細胞の活性が上がっていたということです。
インフルエンザについては、マウスを使った実験が出ていました。1073R-1乳酸菌のヨーグルトを与えていない方は生存率0%(全滅)だったのに対し、1073R-1乳酸菌のヨーグルトを与えていた方は、生存率が37.5%だったという結果がでていました。
これがインフルエンザの時期にR-1が売り切れた理由なのかもしれないですね。私はR-1関係のテレビを見ていないので詳しいところはわかりませんけれど。
自分でR-1ヨーグルトをつくってみた
R-1のつくり方は、私がヨーグルティアを知るきっかけになった山﨑はるかさんのサイトに出ていました。

同様にタニカ電器のサイトでも出ていました。



ヨーグルトはだいたい40℃くらいで保温します。明治ブルガリアヨーグルトなら37℃で長時間保温した方が、確かになめらかなヨーグルトができました。
ヨーグルティアの設定は43℃で12時間
R-1ヨーグルトの場合は、43℃で保温するのだそうです。1073R-1乳酸菌が少し変わった性質を持った菌だとしても、ヨーグルトづくりの基本であるLactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricusの菌株であることは間違いなので、きれいに固まるようです。
ところで、ヨーグルティアでヨーグルトを作り始めた時、種に使っていたのは明治ブルガリアヨーグルトでした。
酸を作る力が強いのだと思います。牛乳に入れて保温すると4時間もすると固まっていました。それでしばらくは豆乳ヨーグルトの種としても使っていました。
R-1ヨーグルトを使ってまず牛乳でヨーグルトを作るとどうなるのかやってみました。
お手本があるのでその通りに。
- 明治おいしい牛乳1リットル
- てんさい糖30g
- 明治R-1ヨーグルト(半分)
牛乳を沸かして砂糖を溶かし、人肌まで冷やしてから明治R-1ヨーグルト(半分)を入れてよくかき混ぜて、ヨーグルティアにセット。43℃で12時間です。
毎週、納豆をつくっているのですが、納豆の設定温度は45℃なので、かなり高いです。今ブルガリアヨーグルトを作るなら、37℃で10時間くらいの設定にします。
R-1培養は、なかなか固まらないのが特徴かも
セットして4時間後、様子を見ましたが、まだ固まる気配がありません。8時間後にもう一度見ましたが、粘度が上がってきていましたが、まだ固まる感じではなかったです。
これが明治ブルガリアヨーグルトなら4時間もすればかなり固まっています。ヨーグルトとしての基本になる2種類の菌種をつかっていても、菌株が違うとかなり違うものです。
12時間後固まり、冷蔵庫で冷やして翌日出してみました。野菜室でやや傾いていたらしく、ホエイが浮いて表面が少し荒れてますが、完成しました。
かき混ぜて味見してみました。かなり粘りがあります。ヨーグルトらしいにおいもしますが、ブルガリアヨーグルトほどの酸っぱいにおいはしません。酸味も少し弱い感じです。
でも、おいしいですよ。味がよい。
豆乳でもR-1ヨーグルトを作ってみた
豆乳でもつくってみました。設定温度は43℃。今回は砂糖(てんさい糖)を入れずにやってみました。設定時間は7時間です。
うまく固まるかなと思いましたが、きちんと固まっていました。こちらの方が固めに仕上がりました。
豆乳を使うと固めに仕上がる
フタを開けたとき、ヨーグルト特有の乳酸菌の酸っぱいにおいがしました。ホエイは多めです。かき回して食べてみると、意外とキメが細かく、ヨーグルトの風味がして、最後に少し大豆のにおいがします。味は砂糖を入れていないので甘くはないです。
もうかなり前のことになりますが、明治ブルガリアヨーグルトを種にしていたときは、豆乳でも4時間くらいで固まっていました。しかし、風味があまりなくて豆腐みたいな味に仕上がり、途中で飽きてしまいました。
今回はどうかな?しばらく食べてみます。
せっかくR-1ヨーグルトを培養するので、効果を維持するために、毎回R-1ヨーグルト1個を使って2リットルの豆乳をヨーグルトにすることにして、食べ続けてみます。
この後、牛乳でつくった方をタネにして、2回培養しましたが、ネットでは酸っぱくなるとかかれていましたが、まだ大丈夫です。てんさい糖30グラムは、毎回足しています。
しばらく食べるのを忘れていると、天ぷらを揚げる時のダマみたいになります。
ヨーグルトについて他にも記事を書いています。ヨーグルトについて書いた記事をご覧下さい。