麹のちから!を読んだ

麹は酒・味噌・醤油をつくるときに使いますが、酒・味噌・醤油専用の微生物ではありません。乳酸菌よりも健康に役立ち、環境浄化にも役に立つとは知りませんでした。麹は日本の国菌です。

麹

麹のちから!を読みました。

2012年発行のこの本を読むと、塩麹ブームがあったなあと思い出します。一時、どこのスーパーにも塩麹が並んでいましたが、最近、あまり見かけないような気がします。

そういえば、甘酒も一時ブームになり、ずいぶん高いものもあって、私ならその値段なら日本酒を買うけどなと思うような商品も見かけましたが、やはり定着しなかったようです。

しかし、この本はとても面白いです。

発酵食品に関わっている人は、普通でない熱心さで取り組んでいる方が多い印象を持っています。本の著者、山元正博さんもすごいです。

なんとなく麹ブームは落ち着いた感じがしますが、麹の魅力を改めて知るにはとてもよい本です。

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塩麹をつかった一夜漬け

漬け物は乳酸発酵です。漬け物について、以前、浅漬けの正しい漬け方が分かる本という記事を書き、とても魅力がある著者の針塚藤重さんについてもご紹介しました。

この本は漬け物の本ではないですが、よいことが書いてありました。

塩麹で乳酸菌の増殖スピードが3倍になる

このブログを書き始めてから、麹、乳酸菌、酵母はセットで働くことを知りましたが、ここでも登場します。

通常のお漬け物は塩をまぶして一定期間漬け込みます。乳酸菌が発酵して、うま味が出るのを待っているのです。

ところが塩麹を使えば、もっと速く、もっと簡単に、しかもはるかに美味しい漬け物ができるのです。

理由はふたつ。ひとつは、塩麹の出す酵素が野菜の繊維質や糖質、デンプン質を分解してうま味に変えるから。もうひとつは、麹が漬け物に必要な乳酸菌の増殖スピードを3倍にも増やすからです。

つくり方も非常に簡単です。

大根、白菜、キャベツ、きゅうりなどをよく洗い、水を切ってから、目分量でその10分の1ほどの量の塩麹と合わせてよく揉みます。

そのまま、ジッパー付きの袋に入れ、空気を抜いてジッパーを閉めてください。もちろん漬け物容器でもけっこうです。なるべく真空状態にしておいたほうが、塩分の浸み込みが速くなります。

あとは冷蔵庫でひと晩寝かせるだけ。あっという間に美味しいお漬け物ができます。

乳酸菌が3倍のスピードで増えるのはなぜなのか、解説されていました。

通常ですと乳酸菌の増えるスピードはゆっくりです。ですから一夜漬けではなかなか乳酸菌のうま味は出てこない。

ところが、塩麹を入れると、麹菌(麹菌とは微生物そのもの、麹とは米などの原材料に麹菌を生やしたもの、と理解してください)そのものに乳酸菌の促進酵素があり、それが野菜の表面に生きている乳酸菌をたちまち増殖させるのです。

さらに、ちょっとした工夫も書かれています。

ついでにお教えしましょう。お漬け物をつくるときには塩麹に少し、ほんのちょっとのヨーグルトを入れてみましょう。

こういうのしびれます。乳酸菌の種として入れるのです。針塚藤重さんのビオフェルミンS細粒を使うのにもしびれましたが。

麹と健康

私は50代中盤を過ぎたので、健康との関連に興味があります。

著者が本の中で書かれていた、飲み会で「とんでもない量」の焼酎を飲む杜氏さん達の中に肝硬変の患者がいるものの、肝臓がんの患者がいない話から考えた麹の話が興味深いです。

杜氏さん達は、品質管理のため焼酎のもろみを味見します。もろみは、麹、乳酸菌、酵母とお米、それらの発酵物が混ざったものです。これが効果的ではないかと考えられました。

私はそのようなものを味わったことはありません。ただ、菩提酛仕込み醍醐のしずくを飲んだ(寺田本家)という記事を書いた時、初めて、(洗練されていない)菩提酛仕込みの酒を飲んだのですが、一口飲んで、体が喜ぶのを感じました。

その後も、いわゆる「どぶろく」のような酒をあまり飲む機会はないのですが、きっと体によいものではないかなと思っています。

本の中には開発した麹ドリンクでがんが消えたという話も書かれていましたが、それを書き始めると、ネットで見かけるおかしな健康食品を紹介する記事と変わらなくなるので、ご興味のある方は、是非、この本を読んでみてください。

昔からヨーグルトは健康によいと知られているので、乳酸菌が体によいのは常識ですが、麹もなかなかすごいです。

NK細胞を増強する

ヨーグルトよりはるかによいのだと主張されています。

この結果からわかることは、1週間毎日「前立腺の友」を飲み続けると、NK細胞は数で1.5倍、その細胞破壊能力では1.5倍以上に増えることです。合計すれば2倍以上にその効力は増加するという事実でした。(中略)

麹菌は乳酸菌とは効果が一桁違います。

もともと、乳酸菌という食文化は欧米からの輸入です。それをありがたがる前に、日本独自の「麹菌飲料」を見直すべきだ―というのが私の考えです。

花粉症を撃退する

私は47歳の時から花粉症です。毎年程度の差はあっても必ず出ます。とても興味があります。花粉症の発生する仕組みはこのように書かれていました。

昔の人たちは体内に寄生虫を飼っている場合が多かった。この寄生虫の出す弱い毒に反応して体内では「非特異イムノグロブリンE」というタンパク質がつくられる。

この物質が、アレルギー物質をつくるスイッチを無効にしてしまうので、アレルギーが出なかった。

一方、現代人はあまりに衛生的な環境で育ったために、体内で非特異イムノグロブリンEがつくられなくなった。このために花粉などの異物が体内に侵入すると、これに対抗して「特異的イムノグロブリンE」がつくられる。

この特異的イムノグロブリンEがアレルギー物質を生産するスイッチをオンにしてしまうので、アレルギー症状が発現する。その好例が花粉症であると。

寄生虫はいらないですが、ちょっとだけ特異的イムノグロブリンEがつくられるとよいということです。これには甘酒がよいそうです。

生の甘酒

結論だけを言いますと、甘酒がアレルギーを抑制することがわかったのです。特に黒麹でつくった甘酒で抑制効果が強くでました。

でも問題はあります。というのは、この実験に用いた甘酒は未殺菌の生甘酒です。一般に流通する甘酒は殺菌されています。

黒麹は手に入りにくいです。しかし、普通の米麹を買って甘酒を自分で作ってみるのも一つの方法です。

インシュリンに対する感受性が高くなる

糖尿病マウスについて書かれていました。黒麹特有の効果のようです。

糖尿病マウスに黒麹を与えると糖が出なくなるのです。どうやら、黒麹を与えるとインシュリンに対するマウスの感受性が高くなるようなのです。

人間の場合、糖尿病患者の増加がクローズアップされていますが、指摘されるのは、インシュリンの分泌量が足りなくて発症している例も多いということです。

このような患者さんの場合には、麹菌でインシュリンへの感受性を上げることで対応できるのではないか―。

麹で環境を浄化する

この本では、1章を環境を浄化する話題に使っています。読み始めた時、麹は、酒・味噌・醤油をつくるもの。麹で環境を浄化するなんてできるのだろうか?と思いました。

しかし、細菌は原核生物ですが、麹は真核生物。同じ単細胞でも細胞核があり、環境適応能力は上回ると考えた方がよさそうです。ついつい、思い込みで判断してしまいます。

養豚業の悪臭を麹菌で発酵させた飼料で解決した話が書かれています。また、大量に出る屎尿処理も麹菌と仲がよい亜硝酸還元菌の働きによって完熟堆肥化できるそうです。

さらに、麹菌でレストランの排油を分解する話まで書かれていました。こんなことまでできるのかと思いました。

塩麹は自分でつくる

塩麹は自分でつくるのが一番だと書かれていました。

塩麹は水を加える前の乾燥した状態のものを購入し、自分で水を加えて1週間ほどかけて発酵させる。これがいちばんです。ちょっとした手間を惜しんでは、本物は味わえません。

塩麹は黄色い

さらに色についても書かれていました。

塩麹に使っている麹菌は黄麹、つまり色は黄色です。逆に、色が白い麹はまだ未熟な麹で、酵素は十分に出きっていない場合が多いのです。酵素を大量に出す良質の麹ほど、色は黄色みが強くなると思ってください。

塩麹つくりかた

早速、乾物屋さんに行って伊勢惣米こうじを買って来ました。裏を見ると塩麹の作り方が書いてありました。

塩麹をつくるには1~2週間かかるようです。

材料

  • こうじ・・・200g
  • 湯・・・300cc
  • 塩・・・60g
  1. お湯に塩を入れて溶かし、60℃まで冷まします。
  2. こうじをもみほぐして、1に混ぜます。
  3. その後、室温で毎日1回かき混ぜ、夏・・・1週間、冬・・・2週間程度熟成させてできあがりです。

保存方法:冷蔵庫で約3ヶ月
お好みにより、保温(60℃以下)にする事で滑らかさがマシ、また、熟成が早まります。

まとめ

早速、私も麹を買ってきました。この本を読んで、麹は酒・味噌・醤油に使うものだと決めてかかっているといけないなと思いました。

著者の山元正博さんが経営する会社についてサイトがあります。

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鹿児島空港前に観光工場焼酎公園や霧島高原ビール、チェコ村、バレルバレー・プラハがあるのですが、どうしてそんな施設をつくられたのか、本を読むと分かります。

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