菩提酛仕込みのお酒を一度飲んでみたいと思っていました。発芽玄米酒むすひを造っている寺田本家が、醍醐のしずくという名前をつけて菩提酛仕込みのお酒を販売していました。知らなかった。早速買って飲んでみました。
菩提酛の酒を飲みたいと思っていた
私は毎日豆乳ヨーグルトを食べています。どうも乳酸菌が弱ってきたように感じるので、寺田本家のむすひの酒粕「にぎり酒」を買って来て種菌にしようと思っていました。
以前は、お茶の水のガイアに買いに行っていたのですが、もっと近くで買えないかと思って寺田本家のサイトを見ると、うちから歩いて行ける自然食品店に置いてありました。
「にぎり酒」を買ってそばの冷蔵庫を見ると、むすひの隣に醍醐のしずくというやや濁った酒が入っていました。
説明書きを見ると、菩提酛づくりだと書いてあるのです。おお、これは一度飲んでみたいと思っていた菩提酛じゃないか。さすが寺田本家。早速、買いました。
寺田本家が菩提酛づくりのお酒を造っていたなんて知らなかったです。
以前、菩提酛仕込みのお酒に興味を持ちました。しかし、どこでも売っているようなものではないので、ずっと忘れていました。
菩提酛についてこんな記事を書いています。
なぜ、一度飲んでみたいと思ったかというと、後述しますが造り方がとてもアバウトだからです。
今の日本酒は杜氏さんや蔵人がしっかり管理している感じがしますが、菩提酛づくりは、ものすごくいい加減な造り方のように思えます。
それでも飲まれてきたのですから、一体どんな味なんだろうと思っていました。
醍醐のしずくを開封した
醍醐のしずくも生酒で要冷蔵です。早速、帰ってきて開けてみました。シュッと音はしましたが、むすひのように噴き出す危険性はありません。
利きじょこに注いで口元までもってくると、香りはむすひのようにぬかくさいです。色も濁りがあり、この通り、利きじょこの底にある蛇の目がはっきり見えないです。
口に入れる前に「失敗したかな」と少し思いましたが、口に入れた瞬間に変わりました。
「うまい」
味は、かなり酸味があり思ったよりずっと甘いです。ラベルにアルコール度数11.5%と書かれていました。ひょっとするとまだ甘みがかなりあるので、もう少しアルコール度数を上げられるのかもしれません。
アルコール度数はロットによってかなり変化するようです。1ロットは800本らしい。アルコール度数/6.0~17.0%と寺田本家のサイトには書かれていました。
しかし、爽やかな味で、からだによいと思える味です。からだによいと思える感じというのがうまく説明できませんが、口に入れても飲み込んでも心地よいのです。
醍醐のしずくのしおり
ビンにはこんなしおりがついてきます。
このお酒は鎌倉時代から江戸時代まで盛んに造られていた醸造法である”菩提酛”で仕込みました。
生酛の原型とも言われるこの仕込み法は、空中に浮遊する天然の乳酸菌と酵母菌を採り込む自然の力を利用したもので「どぶろく」の基本的な造り方です。
普通の純米酒と比べ、数倍以上の有用菌、有機酸、アミノ酸が豊富で、健康維持としてもご愛飲ください。
蔵人謹白
さらに、醍醐のしずくの詳しい説明を読むと、造り方が書かれていました。
●「醍醐のしずく」の製造工程
材料:白米一斗、麹五升、仕込水一斗→実際の仕込み量は約10倍となります。
- 白米を1割(一升)と残り9割(九升)に分け、1割(一升)のほうだけをご飯のように炊き上げ、一晩冷ましておく。
- 冷ました白米を「さらし」の袋に入れ、口を縛る。
- 仕込タンクに9割(九升)のよく洗った生米と仕込水一斗を入れ、そこに2、の袋を漬け込む。
- 毎日袋を揉んで、中のご飯を搾り出すようにする。⇒だんだん酸っぱくなったご飯のような香りがして乳酸菌が活動してくる。泡も少し出てくる。
- 3日後、中の袋を取り出し、生米の水切りをするが水は捨てないでとっておく。
- 生米を蒸気が上がってから45分くらい蒸す。よく冷ます。
- 麹五升のうち五分の一を「さらし」の中のご飯と混ぜ、その半分をタンクの底に敷く。麹のうちの五分の四と蒸米、とっておいた水(酸っぱい水)を混ぜ、タンクに入れる。麹とご飯を混ぜた残りの半分をその上にふたをするように広げる。これで仕込みは終わったのでタンクにごみや虫が入らないよう布でふたをしておく。
- 一晩ぐらいして泡が出てきたら櫂入れをする。1日2回ぐらい櫂入れをしながら、季節にもよるが1週間ぐらいでお酒になる。
(出典|「醍醐のしずく」新発売)
こんなにおいしいなら、どぶろくを飲んでみたくなります。お米は偉大だと思います。
醍醐のしずくの販売店
ネットで注文すれば何でも手に入る時代ですが、送料が高い場合があります。まずは、私みたいに自分の住んでいるところの近くで手に入らないか調べた方がよいです。
寺田本家のサイトにある販売店のリンクを貼っておきます。ちなみに、醍醐のしずくの酒粕も販売されています。醍醐のしずくは1年中造る酒なので、酒粕もいつも手に入るでしょう。
日本酒について他にも記事を書いています。日本酒についての記事をお読み下さい。