塩麹は作るのが簡単です。ヨーグルトメーカーを使うと6時間、室温でも数日でできます。材料は米麹と塩と水だけです。塩麹を塩の代わりに使っただけでおいしさが増します。そして、「麹のちから!」を読んで、健康への効果を知ると、使い続けようと思うようになりますよ。まず、自分で作ってみましょう。
塩麹がブームになったのは2012年でしたっけ。しかし、塩麹はその後も支持され、よく行く乾物屋さんでも切らすことはできないといってました。
塩麹の材料は米麹と塩と水だけ
塩麹をつくるのはとても簡単です。みやここうじを買うと、パッケージの裏につくり方が書いてあります。
材料
- 米麹200g(みやここうじ200gは乾物屋さんで291円(消費税込)
- 塩60g
- 水300ml
分量を変えるときは、この割合を維持してください。塩は米麹の30%。水は米麹の1.5倍の重量。(水は1ml=1g)
材料をすべて混ぜるまで
みやここうじ200g入りです。板状の米麹が2枚入っています。
米麹の袋を開けると、板状の乾燥した米麹が2枚入っています。表面が綿みたいな菌糸でおおわれています。これを手でよくほぐします。大きなボウルの中でほぐしましょう。
このようにバラバラにしてください。
次に塩を60g入れます。まずは計量します。
麹に塩を加えて、手でもむようによく混ぜ合わせます。
さて、ここから塩麹にするには2通りあります。ヨーグルトメーカーで作るか、常温で作るか。ヨーグルトメーカーで作ると6時間でできます。
ヨーグルトメーカーで作ると6時間でできる
私はタニカのヨーグルティアを使っています。
タニカのヨーグルティアなら、60℃保温で6時間でできます。この60℃という温度は、糖化酵素アミラーゼが働くのに最適の温度です。
タニカ電器公式サイトにも塩麹のつくり方がありました。
麹に塩を加えたものをヨーグルティアの内容器に入れます。
そこに水300mlを入れてよくかき混ぜます。
ちゃんとかき混ぜてください。
内ブタをしてからネジブタをし、さらに外ブタをかぶせます。
- 設定温度:60℃
- 設定時間:6時間
それでスイッチONして待つだけです。
これが出来上がりです。ホワイトバランスを調整しなかったせいか微妙に色が再現できていないのですが、やや茶色がかっています。なめると塩っぱいですが、米麹が糖化した甘さも感じます。においは、麹のにおいがします。
別容器に移して冷蔵庫に保存します。水が足りないようだったら、表面がひたひたになるまで足して下さい。
常温で塩麹をつくる
米麹と塩をよくもみこんだ後に、水300mlを入れて別容器に移します。私は浄水器を通していますが水道水を使っています。
100均で買ったらしい(?)タッパーに移しました。
冬に作ったら10日間くらいかかった
この状態で、上にペーパータオルを一枚フタ代わりにかけて輪ゴムで止めて1日1回かきまぜて10日くらいでできました。(冬だったので時間がかかりました)
ただ、翌日は、米麹がかなり水を吸って麹が水に浸る感じではなくなったので、水を少し足して、ひたひたになるようにして、スプーンでかき混ぜました。
塩麹を作るのは初めてだったので毎日観察していましたが、だんだん、色が茶色っぽくなり、においは麹独特の甘酒みたいなにおいになり、味は、塩辛いですが、その中に甘さが出て来ます。
最初はっきりして芯があった米粒がつぶれるようになったらできあがりです。
フタを閉めて密閉してはダメ!
注意事項は、フタをキッチリ閉めないこと。
麹に働いてもらうには酸素が必要です。
ヨーグルト造りをしている人は、ヨーグルトメーカーのフタをきちんと閉めるのが習慣になっていると思います。ヨーグルトの乳酸菌と麹は性質が違います。
乳酸菌は細菌で、生きていくために酸素を必要としない通性嫌気性菌です。発酵するときに酸素は必要ありません。
麹は酸素呼吸をする
しかし、麹は、カビの仲間で真菌です。ミトコンドリアを持ち、生きていくために酸素呼吸をします。ヒトと同じです。そのため、フタを密閉してはいけません。
私は初めて作った時、100均で買って来た幅の広いタッパーのような容器で作りました。空気に触れる面積が広くなるからです。
水を加えて、別のタッパーに移しました。そして冷蔵庫へ保存。
塩麹、失敗した?いや、失敗することはほとんどないと思いますよ
塩麹を仕込んだ後の変化は、
- 色がベージュ色に変わる
- 甘酒のようなにおいがしてくる
- 塩味の中に甘さがでてくる
- 米粒がやわらかくなる
ということでしょうか。たまに、うまく米麹ができなかったなんて話を聞きますが、まず大丈夫。腐ることはほとんどないと思います。
米麹にはすでに十分に麹が繁殖している
米麹は、すでに麹が繁殖したものです。もう他の菌によって侵されることは、まずありません。そして水を加えますが、100mlあたり20gも塩を入れますから、雑菌が繁殖できるような環境ではありません。
冬に室温でつくると、10日経ってもできない時があります。気長に待っていれば必ずできます。
米麹はそのまま食べられる
以前、酵素不足なら米麹を食べたらよいのでは?という記事を書いて、米麹をほぐしてそのまま食べることについて書きました。もちろん、食べられます。お腹の調子もよくなりますよ。

最初に米麹をそのまま食べて、どんな味がするか確かめてから、水と塩を加えて仕込んだ後、毎日かき混ぜる時に、ちょっとだけ味見してみるとよいです。米麹の味とそれが変化していく様子がわかるようになり、必要以上に心配することがなくなります。
麹のちから!を読もう
麹のちから!を読んだという記事でも紹介しましたが、これから塩麹をつくって、健康に役立てようという方は、ぜひ、麹のちから!を一度読むことをおすすめします。

一度読めば、少々面倒でも塩麹をつくり続けて料理に活用しようと思うようになりますよ。
乳酸菌の方がよく健康の話題に出てくるので、乳酸菌の方が体によいのかと思いますが、どうしてどうして、麹もなかなかなものです。
私も、この本を読むまで、麹は醤油、味噌、酒づくり専門に使うものだろうと思っていました。ところが、乳酸菌並み、いや、乳酸菌以上に健康に役立つようです。
乳酸菌は細菌ですが、麹は細胞核を持ち、ミトコンドリアもある真菌です。ずっと高機能なのです。
塩麹づくりで疑問に思ったら
私は、もう1冊、天野屋太鼓判!塩麹レシピをテキストにしています。天野屋さんは神田明神の参道にある有名な麹屋さんです。
この本には、塩麹のつくり方はもちろん、困ったときのためにQ&Aが出ています。これがとても親切なのです。一部抜き書きします。
Q 4日ほど経ってパサパサしていますが大丈夫?
A しばらくすればとろっとしてきます。1日1回混ぜて、2~3日様子をみてください。それでもパサつくようなら、水を少し足して、塩分の割合がその分減るので塩も少し加え、全体をよくかき混ぜて、熟成を継続しましょう。
Q 色が茶色くなってきました
A 塩麹は熟成とともにすこしずつ色づいてきます。これは麹由来のアミノ酸と糖が反応して褐色に変化するため。味に影響するものではありません。
Q 減塩の塩麹は作れますか
A 仕込み時に塩を減らすのは、おすすめできません。塩分濃度が低いと雑菌が繁殖しやすくなり、食材を漬けても日もちしなくなります。
本書の塩麹は約12%。通常の濃い口しょうゆは約16%。塩麹はうまみが豊富なので、少ない量でも十分なおいしさを得ることができます。薄味にしたい場合は、塩麹の分量を減らしましょう。
Q 表面に白っぽいふわふわしたものが・・・
A これは産膜酵母と呼ばれるもので無害です。白い部分を削り取って使ってください。表面に灰色や青、ピンク色のカビが出たら、残念ですが、その塩麹は破棄してください。
NOTE
塩麹は作るのが簡単で、調味料として塩を使うよりも味が複雑になりおいしさが増します。しかも、麹のちから!を読んで、健康への効果を知ると、使い続けようと思うようになります。
例えば、鶏肉に塩麹を大さじ1杯加えて、ジップロックの中でよく揉んでしばらく置いてから焼くととてもおいしいです。
米麹は業務スーパーにもあった
最近、何かと話題で店舗数も増えている業務スーパー。たまに行きますが、米麹もあります。1キロ800円くらいで買えます。いつも冷蔵ケースに保管されているので安心して買えます。