生ビールとラガービールの違い

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生ビールは加熱していないがラガービールは加熱していると思っていましたが、それは間違いでした。生ビールは加熱処理をしていないビールですが、ラガービールは貯蔵工程で熟成させたビールであり、加熱非加熱の区別はありません。加熱しているビールがラガーだと思ってしまうのは、キリンラガービールが長くたくさん売れしていたからです。ビン缶とも生ビールが増えて来てもキリンが加熱処理をしたキリンラガービールにこだわっていたので、生ビールとラガービールが対義語のように思われたのでしょう。

ビール

生ビールとラガービールの違い

生ビールは加熱していないから「生」。加熱しているビールは、ラガー。長いことそう思っていました。ところが、それは間違いでした。

生ビールは加熱処理をしていないビール

全国公正取引協議会連合会のサイトにビールの表示に関する公正競争規約及び施行規則という文書があります。

そこに生ビールの表示について明記されています。

生ビール及びドラフトビール
熱による処理(パストリゼーション)をしないビールでなければ、生ビール又はドラフトビールと表示してはならない。

少しわかりにくく思いましたが、加熱処理(パストリゼーション)をしたら生ビールといってはいけないと読みかえました。

生ビール=ドラフトビールです。

ドラフトビールのもともとの意味はバルブから注ぐビール

ちなみに、draftを英辞郎で調べると、「〔煙突などの〕通気調節弁[バルブ]」と書かれていて、ドラフトビールは、『高圧のケグやたるから注ぐ、ろ過処理したビールを指す』と書かれていました。確かに生ビールはバルブから注いでいます。

ではラガービールとはどんなビールなのでしょう?

ラガービールは貯蔵工程で熟成させたビール

ラガービールに関しても、先ほどのビールの表示に関する公正競争規約及び施行規則という文書に明記されています。

ラガービール
貯蔵工程で熟成させたビールでなければラガービールと表示してはならない。

生ビールと対義語になるようなことは書かれていません。「貯蔵工程で熟成」と書かれていますから製造に時間がかかるビールであることが何となくわかります。

これで、生ビールとラガービールは対義語ではないことがわかりました。

なぜ加熱しているビールをラガーだと思ったのか?

では、なぜラガーが加熱処理したビールで、生ビールと対義語となるようなビールのように思ってしまうのでしょう?

キリンラガービールがバカ売れしていたから

ビール職人、美味いビールを語るを読むと、キリンラガービールがラガービールであると思ってしまうくらい売れていたからだと書かれています。

思い出してみると確かにそうでした。昔は、「ビールはキリン」と言われていました。もちろん、当時、キリンラガービールは加熱処理をしていました。キリンの一人勝ち状態だったと思います。

サッポロがその後を追い、1980年頃はサントリーが派手なCMを流して青色の缶生ビールをしきりに宣伝していました。アサヒビールを飲むことはまずなかったです。スーパードライが世に出て来るのはもっと後、1987年です。

1977年「サッポロびん生」登場

今の時代、お店で販売されているビールは、ほとんどが生ビールです。ニ番手メーカーだったサッポロが生ビールを販売し始めたのは1977年からでした。私が高校生の頃です。

生ビール時代を切り開いた「サッポロ生ビール黒ラベル」を読むと、その頃のことがよく分かります。

生ビール時代を切り開いた「サッポロ生ビール黒ラベル」 | サッポロビールのこだわり | サッポロビール
「★乾杯をもっとおいしく。」サッポロビールのおいしいビールの原料のページです。黒ラベルやヱビスをはじめとした商品情報のほか、レシピやサッポロのお酒が飲めるお店情報、工場見学など、乾杯をもっとおいしくする情報をお届けします。

その後、ビン缶ともに生ビールが一般的になります。しかし、日本のビールの歴史年表を読むと、キリンビールがようやくビン生を出したのが1985年なので、キリンラガービールに相当にこだわりを持っていたことがわかります。

他社が生ビールをすすめてもキリンはラガーで行く。これが、生ビールは加熱していないが、ラガーは加熱しているという誤解のもとになったのかもしれません。

キリンビールのビン生ってどんなのだったっけなあと検索していたらキリンびん生のCMが出てきました。これは1986年のみたいです。

ラガービールは下面発酵が特徴で低温で熟成させる

ビール職人、美味いビールを語るを読むと、ラガービールは、下面発酵で醸造されるビールのことで、熟成させるには低温で保存できる環境が必要です。ちなみに、日本の大メーカーが造っているビールは、ほぼラガービールです。

下面発酵の特徴は、10℃以下の低い温度でゆっくり発酵させることです。発酵が終わると酵母が下に沈んで行きます。こちらを読むともっと濃く様子が伝わってきます。

主発酵が終わったばかりのビールを、若(わか)ビールと言うんですが、これは濁りがあって、味も匂いも雑だから商品にはできない。それで貯蔵タンクに移して、低温でゆっくりと熟成させていきます。

私のところでは短くても二十四日間、長いときで一ヶ月以上時間をかけて、若ビールをマイナス一度くらいまでだんだん冷やしていく。

そうすると、酵母が少しずつ発酵を続けながら止活して、タンクの底に沈んでいく。液体がきれいに澄んでくる。味が落ち着いてくる。発酵のときに出た嫌な臭いが抜けて、爽やかなビールの香りになる。炭酸ガスが十分に液体に溶け込んで飲み心地がよくなる。

ここではふれませんが、ラガービールと対を成すのはエールビールです。

ビールの加熱処理(パストリゼーション)

ところで、ビールの加熱処理(パストリゼーション)はどのように行われるのでしょう。

ビールろ過(1)を読むと、このように説明されていました。温度は60~70℃に設定するようです。

ビールのパスツリゼーションには,ビン,缶詰めをしたビールをコンベアで移動させながら,温水シャワーの噴出するトンネル内を通過させ,ビールの品温を20~30分間60℃に保たせる方法(トンネルパスツリゼーション)とビン,缶詰め前のビールを加熱器,ホールディング配管,冷却器により連続的に70℃20~60秒間瞬間的に殺菌する方法(フラッシュパスツリゼーション)がある。

現在飲むことができる加熱処理したビール

ウイキペディアの生ビールに加熱処理したビールが紹介されていました。

サッポロラガーは、古い居酒屋で出てくる赤星が目印のビールです。私はいつも吉祥寺のいせや本店で味わっています。秋味も加熱処理しているとは知りませんでした。

アサヒビールの「アサヒスタウト」、キリンビールの「クラシックラガー」と「キリン秋味」、サッポロビールの「サッポロラガー」などが挙げられる。

現在のキリンラガーは、加熱していない生ビールなのですね。ウイキペディアのアサヒビールを読むと、1996年に生ビールになったようです。

「生ビールNO.1アサヒスーパードライ」のコピーが影響し、キリンラガーは1996年に非熱処理化(生ビール化)が行われたが、翌年の1997年にはキリンラガーが前年まで45年間保ってきた年間首位銘柄から転落し、新たにスーパードライが年間首位銘柄となった。

NOTE

私は加熱処理したビールも好きです。特に、サッポロの赤星ラガーは、30年くらい好んで飲んでいます。最近は瓶ビールを買うのが困難になってきていて、ほぼ、吉祥寺いせや本店で飲んでいます。

瓶と缶は味が変わらないという人もいますが、瓶ビールの方がグラスに注いだ時にホップの香りがわかりやすいと思います。

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