納豆のタンパク質含有量は100gあたり約16gです。魚や肉と比較すると多くも少なくもないことがわかります。納豆1パックの量は40~50gで、タンパク質の量は、6.4~8g程度あります。納豆のカロリーは100gあたり190kcal。1日に必要なタンパク質の量は意外と多く、納豆だけで必要量を満たすことは無理です。そのため、納豆を食べてタンパク質とり過ぎで腎臓に悪影響を及ぼすことはありません。
納豆のタンパク質含有量は100gあたり16g
納豆にはどのくらいタンパク質が含まれているのか?日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、粒の納豆100gあたり16.5g、ひき割り納豆100gあたり16.6gあります。
食品成分 | エネルギ ー |
水分 | たんぱく 質 |
脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 食物繊維 総量 |
糸引き 納豆 |
190kcal | 59.5g | 16.5g | 10g | 12.1g | 1.9g | 6.7g |
挽きわり 納豆 |
185kcal | 60.9g | 16.6g | 10g | 10.5g | 2g | 5.9g |
※日本食品標準成分表2020年版(八訂) |
大豆は昔から「畑のお肉」といわれてきました。タンパク質が多いことで知られていますがどの程度なのか?
魚や肉100gあたりのタンパク質と比較
他のタンパク源と呼ばれる魚や肉などの食品と比較してみましょう。
食品成分 | エネルギ ー |
水分 | たんぱく 質 |
脂質 | 炭水化物 | 灰分 |
うるめいわし/生 | 124kcal | 71.7g | 21.3g | 4.8g | 0.3g | 1.9g |
まいわし/生 | 156kcal | 68.9g | 19.2g | 9.2g | 0.2g | 1.2g |
めかじき/生 | 139kcal | 72.2g | 19.2g | 7.6g | 0.1g | 1.3g |
くろまぐろ/ 赤身/生 |
115kcal | 70.4g | 26.4g | 1.4g | 0.1g | 1.7g |
みなみまぐろ/ 赤身/生 |
88kcal | 77g | 21.6g | 0.4g | 0.1g | 1.2g |
和牛/かたロース/ 赤肉/生 |
293kcal | 56.4g | 16.5g | 26.1g | 0.2g | 0.8g |
和牛/リブロース/ 赤肉/生 |
395kcal | 47.2g | 14g | 40g | 0.2g | 0.6g |
和牛/もも/ 赤肉/生 |
176kcal | 67g | 21.3g | 10.7g | 0.6g | 1g |
ぶた/ロース/ 脂身つき/生 |
248kcal | 60.4g | 19.3g | 19.2g | 0.2g | 0.9g |
ぶた/ヒレ/ 赤肉/生 |
118kcal | 73.4g | 22.2g | 3.7g | 0.3g | 1.2g |
若どり/むね/ 皮なし/生 |
105kcal | 74.6g | 23.3g | 1.9g | 0.1g | 1.1g |
若どり/もも/ 皮なし/生 |
113kcal | 76.1g | 19g | 5g | 0g | 1g |
※日本食品標準成分表2020年版(八訂) |
魚や肉と比較すると、特別タンパク質が多いわけではないですが、少ないわけでもないことがわかります。
納豆1パック内容量は40~50g
お店で買ってくる納豆は、3個か4個重なっていて、1パックの量は40~50gです。昔はみんな50gだったと思いますが、今はまちまちです。
納豆1パックあたりタンパク質の量は6.4~8g
納豆100gあたり16gのタンパク質があるとして、納豆1パックが40gから50gとすると、納豆1パックあたりのタンパク質の量は、6.4~8gあります。
おかめ納豆極小粒ミニ3のタンパク質の量は7.8g
たとえば、スーパーに必ず置いてあるおかめ納豆については、ネットに公開されています。おかめ納豆は1パック50g入りです。タンパク質の量は7.8gと書かれていました。

ほぼ、日本食品標準成分表2020年版(八訂)に出ている通りです。
納豆のカロリーは100gあたり190kcal
栄養たっぷりな納豆ですが、100gあたりカロリーは190kcalあります。多いのか少ないのか分からない時は、ご飯と比べるのが一番早い。
食品成分 | エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 |
めし/精白米/うるち米 | 156kcal | 60g | 2.5g | 0.3g | 37.1g | 0.1g |
※日本食品標準成分表2020年版(八訂) |
ご飯は100gあたり156kcalですから、納豆はそれほどカロリーが多いわけではないです。カロリーが多くなるのは脂質(あぶら)を多く含んでいる食品です。油は1gあたり9kcalで計算します。納豆は脂質が10g程度なのでそれほどカロリーが多くなりません。
比較のために上に載せた魚や肉の成分表を見ていただければ、脂質が多い食品のカロリーが多くなっていることがおわかりになると思います。
1日に必要なタンパク質の量
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書たんぱく質にはこのような表が載せられていました。身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量(g/日)です。
身体活動レベルはⅠからⅢまであります。ざっと眺めても1日に必要なタンパク質の量は、意外と多いことがわかります。
身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量(g/日)(非妊婦、非授乳婦) | ||||||
性 | 男 性 | 女 性 | ||||
身体活動レベル | I | II | III | I | II | III |
1〜2 (歳) | ― | 31~48 | ― | ― | 29~45 | ― |
3〜5 (歳) | ― | 42~65 | ― | ― | 39~60 | ― |
6〜7 (歳) | 44~68 | 49~75 | 55~85 | 41~63 | 46~70 | 52~80 |
8〜9 (歳) | 52~80 | 60~93 | 67~103 | 47~73 | 55~85 | 62~95 |
10〜11(歳) | 63~98 | 72~110 | 80~123 | 60~93 | 68~105 | 76~118 |
12〜14(歳) | 75~115 | 85~130 | 94~145 | 68~105 | 78~120 | 86~133 |
15〜17(歳) | 81~125 | 91~140 | 102~158 | 67~103 | 75~115 | 83~128 |
18〜29(歳) | 75~115 | 86~133 | 99~153 | 57~88 | 65~100 | 75~115 |
30〜49(歳) | 75~115 | 88~135 | 99~153 | 57~88 | 67~103 | 76~118 |
50〜64(歳) | 77~110 | 91~130 | 103~148 | 58~83 | 68~98 | 79~113 |
65〜74(歳) | 77~103 | 90~120 | 103~138 | 58~78 | 69~93 | 79~105 |
75 以上(歳) | 68~90 | 79~105 | ― | 53~70 | 62~83 | ― |
※日本人の食事摂取基準(2020年版) |
1日分のタンパク質を納豆だけで摂るのは不可能
では、働き盛り(30~49歳)の男性について考えてみましょう。中程度Ⅱの数字は、88~135gです。1日タンパク質が88~135g必要だということです。
一方、納豆のタンパク質は、100gあたり16gですから、1日88~135gのタンパク質を納豆からだけで摂ると、1日、550~840gの納豆を食べなければいけません。納豆好きでもこれは現実的ではないですね。1日にこんなに食べるのは無理です。
肉や魚など他の食品と組み合わせて食べる必要があります。
納豆を食べてタンパク質とり過ぎになり腎臓に悪影響を及ぼすことはない
働き盛りの男性が納豆で1日に必要なタンパク質を摂るためには、上で書いた通り、大量の納豆を食べなければいけません。しかし、それはかなり無理があります。そのため、納豆を食べてタンパク質の摂りすぎになることはありません。
タンパク質の摂りすぎは腎臓に悪影響があるといわれていますが、身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量の表にあるたんぱく質量(Ⅲ)の数字は、1日あたりのエネルギーの20%です。これが、35%以上になると腎機能へ影響するかもしれないようです。
日本人の食事摂取基準(2020年版)に書かれています。
健康な者を対象としてたんぱく質摂取量を変えて腎機能への影響を検討した比較試験のメタ・アナリシスでは、35% エネルギー未満であれば腎機能を低下させることはないだろうと結論している。
慢性腎臓病の場合はタンパク質が制限されます
慢性腎臓病の場合はタンパク質が制限されます。日本人の食事摂取基準(2020年版)にはこのように書かれています。
慢性腎臓病においては、たんぱく質摂取が腎機能の低下を促進させるおそれがあるため、たんぱく質の摂取制限が長らく行われてきた。
最近のメタ・アナリシスは、低たんぱく質食(0.8 g/kg 体重/日より低摂取)は高たんぱく質食(0.8 g/kg 体重/日より高摂取)に比べて末期腎疾患への進行が有意に少なかったと報告している 。
働き盛り(30~49歳)の男性は、参照体重が68.5㎏に設定されています。(参照)「低たんぱく質食」を当てはめると、1日のタンパク質の量は54.8gです。
納豆のタンパク質分解酵素ナットウキナーゼ
納豆には、ナットウキナーゼという酵素があります。これは、血栓を溶かす作用があります。フィブリンという繊維状タンパク質を溶かします。
ナットウキナーゼについては、以前書いた、納豆キナーゼ(ナットウキナーゼ)について調べてみたに詳しく書きました。

納豆を食べるだけで効果が期待できるのですから、とてもよいことです。
NOTE
このブログで納豆の記事を何本も書いている通り、私は納豆が好きです。今では納豆を自作しています。昔々、2005年頃は、スーパーではなく、八百屋さんで100g入りの納豆が3個100円で買えました。そんな時代があったのです。こんな記事を書いています。

残念ながら、いまでは100g入りの納豆は見なくなりました。納豆をたくさん食べたい人は自作するに限ります。でき上がると、とても豊かな気分になりますよ。
納豆を自作する話も含めて、納豆についてで書いた記事を紹介しています。