納豆の効果はまだまだあるぞ

納豆にはいくつも効果がありますが、調べているといろいろ出て来ます。女性には嬉しいお肌に対する効果があり、また、痔を治したり、食後血糖値を上げない効果もあることが分かりました。それをまとめておきます。

納豆

納豆の肌に対する効果

「納豆食うひと色白美人」ということわざがあるそうです。少し前に読んだ謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉でも、納豆を食べるシャン族の女性の肌の美しさのことが書かれていました。

納豆を食べているとお腹の調子がよくなりますから、きっと肌にもよいだろうと予想はできます。

調べてみると、実際に人が納豆を食べて皮膚が変化するかどうか実験した納豆の機能性-納豆と皮膚の関係-という論文が出て来ました。

・健康な女性21名(年齢40~55歳)を対象
・納豆菌TTCC865株で発酵させた納豆50gを1日1回9週間食べる。

毎日50gで9週間というと、50×7×9=3150(g)です。みんな納豆3キロを食べました。
試験中と試験終了後にアンケート調査を行い、角層水分量、皮膚弾力性、皮膚柔軟性に関しては実際に測定していました。

TTCC865株で発酵させた納豆って何だろうと思ったらありました。ねばうま納豆という商品です。

商品情報|タカノフーズ株式会社
タカノフーズのおかめ納豆・豆腐の商品情報をご紹介します。原材料、アレルギー物質、栄養成分について詳しくご覧いただけます。

納豆を食べているグループは、肌の潤い、スベスベ感および全体的なお肌の調子などの自覚症状が試験2週目より改善され始め、肌のつや、化粧のりについては試験3週目から、目尻のシワ、髪のコシなどは試験6週目から、肌のキメ、たるみなどは試験9週目から改善が見られました。

これらはアンケートの結果です。

また、実際に測定した角層水分量については、納豆を食べているグループで試験開始前に比べ、試験3、6、9週目に増加が認められました。

皮膚弾力性でも納豆を食べているグループで試験6、9週目に有意な増加が認められました。

一方、納豆を食べていないグループでは有意な差は認められず、皮膚柔軟性に関しては納豆を食べているグループ、納豆を食べていないグループ両群において、試験開始前に比べ有意な増加は認められませんでした。

角層水分量と皮膚弾力性は納豆を食べていた方がよくなるようです。女性は納豆を毎日食べているとよいかもしれませんよ。

納豆は痔に効果がある

納豆は効く!―解明された納豆パワーの秘密に痔は血栓という小見出しの短い文章がありました。

凝固-線溶系という血栓関係の研究立場からみると、痔というのは、一種のDIC(播種性血管内凝固症候群)であり、つまりはその引き金は血栓で、局所の血の流れを徐々に悪くして起こる。

ミミズの酵素と同様に納豆にも多くの線溶系の蛋白分解酵素が含まれる。理屈では、納豆に痔の血栓を改善する作用がある。

これが、須美洋行先生の見立てなのです。私の友人には2人痔主がいました。一人はかなり重症だったので、教えてあげたいです。

この本は、ダイナミックセラーズ出版から出ていましたが、編集部の方が、実際に実験したようです。その方は、疲れてくると出血することがあり、歩行時に脱肛気味になるという症状がありました。

ナットウキナーゼは、納豆のネバネバに含まれています。

排便後、患部を洗浄してから納豆のネバを塗るようにしたところ、二日目から出血が少なくなり三日目にはピタリと出血が止まり、歩いている途中で肛門の内側部分が外に露出する現象も止んでしまったと言って喜んでいる。

最初の治療後、二度出血したが同様の手当で治り、以後七ヶ月以上出血も脱肛もないとのことである。

こんな効果があるとは。実際にやる方はあまりいないと思いますが、あくまでもご参考まで。

納豆は血糖値の上昇を抑制する

納豆を食べると食後血糖値の上昇が抑えられるそうです。納豆、大豆が健常成人の食後血糖値に与える影響という論文がありました。

食後血糖値の上昇を抑制するものとして食物繊維が広く知られています。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。

水溶性食物繊維

昆布やわかめ、こんにゃく、果物、里いもなどに含まれています。ただし、一度凝固させたこんにゃくは水溶性を持ちません。

粘着性があり、胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくくなります。

不溶性食物繊維

穀類、野菜、豆類のほか、エビやカニの表皮にも含まれています。

胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激してぜんどう運動を活発にし、便通がよくなります。

これら二つの食物繊維のうち水溶性食物繊維は、不溶性食物繊維よりも強い食後血糖値の抑制効果を示すことが知られています。

血糖値抑制効果は、大豆によるのか納豆によるのか

これまで、納豆とご飯を一緒に食べると、食後血糖値が抑えられることは知られていました。また、大豆にはペクチンなどの食物繊維が含まれていて、食物繊維には食後血糖値の上昇抑制効果があることが報告されていました。

しかし、納豆のもつ食後血糖値の上昇抑制効果が、大豆にもともと由来するものなのか、また、納豆に加工したからこその違いがあるかについては不明でした。

この実験は、それを確かめるものです。

実験には、蒸煮大豆とそれに納豆菌を植え付け、納豆にしたものが用意されました。

蒸煮大豆とそれに納豆菌を植え付け、納豆となったものの水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の量を比較しました。食物繊維総量はほとんど変わりませんが、納豆の方が水溶性食物繊維が多いことが分かります。

蒸煮大豆と納豆の食物繊維量
(45gあたり)
品名不溶性食物繊維水溶性食物繊維
蒸煮大豆2.5g1.2g
納豆1.9g1.7g

ご飯だけ、ご飯と蒸煮大豆、ご飯と納豆の3グループに分けて食べてもらい、食後15、30、45、60、90、120 分後の血糖値を測定して比較しました。

その結果は、納豆を食べたグループの食後血糖値上昇が一番抑えられていたことが分かりました。

その理由は、蒸煮大豆に比べ納豆の方が水溶性食物繊維が多いことと、納豆特有のネバネバする粘性物質が食後血糖値の上昇を抑えることが推測されました。

納豆について記事をいくつか書いています。他の記事は、納豆についてをご参照下さい。

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