ウイスキーってどんな酒なのか原料や種類を調べてみた

ウイスキーってどんな原料を発酵させて造られるのか。モルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキー、ピュアモルトウイスキー、シングルモルトウイスキー、いろんな名前を聞いたことがあるけれど、どんな中身なのか調べました。

ウイスキー

最新 ウイスキーの科学 熟成の香味を生む驚きのプロセスを読みました。ウイスキー好きだけに読ませておくにはもったいない奥が深い本です。発酵過程と熟成の話にはしびれます。

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ウイスキーとはどんな酒?

ウイスキーってどんな酒?と聞かれたら、蒸留酒で、琥珀色をしていてあんな味で・・・と思い浮かべますが、正確に説明しろといわれると、蒸留酒には焼酎もあるし・・・とすぐに困り始めます。

ウイスキーは意外にも地域性が強い蒸留酒で、大麦麦芽(モルト)とトウモロコシ、ライ麦、小麦などを原料にして、樽に長期間貯蔵し熟成するのを特徴としています。

ウイスキーの生産地域は世界でわずかに4地域

ウイスキーはどこで造られているのか。よく知られたお酒の種類で、日本でも造られているのだから穀物が作られているところならたいていあるのだろうと思っていました。

しかし、アメリカとカナダを同じ北米としてくくると、世界でわずかに4地域しかなかったです。

ウイスキーが造られる地域は世界中でも意外に少なく、生産地域でウイスキーを分類するとわずか5種類しかない。

すなわちスコットランドとその周辺の島々を中心とした「スコッチ」、アイルランド島の「アイリッシュ」、北米の「アメリカン」と「カナディアン」、そして「ジャパニーズ」である。

世界のウイスキー生産量の95%は、この地域で造られている。(中略)

ウイスキーが造られる地域が限られているのには私も最初は驚かされたが、考えてみればウイスキー造りの要件を満たす地域は、意外に少ないのかもしれない。

あまり暑すぎることなく、といって寒すぎることもなく、しかも寒暖の差があり、適度な湿度に恵まれ、清澄な空気に包まれ、おいしい水にも恵まれている地域となると、たしかに世界を探してもそう多くはないだろう。

ウイスキーの原料は大麦麦芽とトウモロコシ、ライ麦

ウイスキーを造るには、モルト(大麦麦芽)が糖化酵素源として最低必要です。

北米のウイスキーだけでなく、スコッチでもアイリッシュでもトウモロコシが使われていてライ麦も使われます。

さらにこの本には表が載せられており、これを見ると原料がよく分かります。日本のはスコッチをお手本にしているということなのでしょう。

ウイスキーと原料(最新 ウイスキーの科学による)
ウイスキータイプ 主原料 副原料
スコッチ モルトウイスキー 大麦麦芽 (ビート)
グレーンウイスキー トウモロコシ 大麦麦芽
アイリッシュ ストレートウイスキー 大麦麦芽 大麦ライ麦
グレーンウイスキー トウモロコシ 大麦麦芽
アメリカン バーボンウイスキー トウモロコシ 大麦麦芽ライ麦
カナディアン フレーバリングウイスキー ライ麦 大麦麦芽
トウモロコシ
ベースウイスキー トウモロコシ
ジャパニーズ モルトウイスキー 大麦麦芽 (ビート)
グレーンウイスキー トウモロコシ 大麦麦芽

ここには出てきませんが、アメリカでバーボンウイスキーが主流なのはトウモロコシがたくさん栽培されているからだろうを書いた時に知りましたが、小麦が主体のウイスキーもあります。

樽に入れて長期間貯蔵される

ウイスキーは樽に入れて長期間貯蔵されることが必要です。あの特徴的な形の樽でなければ熟成しないそうです。面白いというか不思議です。

ウイスキーは代表的な蒸留酒である。原料の大麦麦芽や穀類などを糖化して酵母によって発酵させた発酵終了液(「発酵モロミ」という)を蒸留する。

できたての蒸留酒は樽の中に入れられ、長期間の貯蔵を経てウイスキーとなる。

ウイスキーの樽は独特の形をしています。

ウイスキー樽

いまはめったに見る機会がありませんが、日本にも木の樽があり昭和40年くらいまで漬け物を漬けたりしていた記憶があります。日本の樽の形はバケツの形と変わりがありません。

ウイスキーの樽は、フタと底の直径が胴よりも小さくなっています。

ウイスキーを貯蔵する樽に用いられる木材は、英語で「オーク」と総称される樹種(コナラの一種)に限られている。

ウイスキー樽の形状は、日本でなじみの深い和樽とは異なり、両端を絞って湾曲させた独特の姿である。

ウイスキーはこの樽の中で貯蔵しないと熟成しないことが知られている。

樽について特に書いておきたかったのは、この形でないと熟成しない、とあったからです。

ウイスキーの種類

私はいまウイスキーをほとんど飲まないのですが、飲んでいた頃はモルトウイスキー、ピュアモルト、シングルモルト、グレーンウイスキーなど、CMを見てなんとなく名前を覚えていきました。その頃は飲む専門だったので、違いについて考えることはありませんでしたが。

ウイスキーは、大きくモルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーに分けられます。

本に書かれている内容が、引用しにくいのでまとめて書きます。

モルトウイスキー

大麦麦芽を原料にアランビック型の単式蒸留器で造ったウイスキーです。穀類の個性が色濃く反映されています。つまり、原料の味が残っているということです。

アランビック型の単式蒸留器の画像を探していたら、なんとアマゾンで販売されていました。使わせていただきます。アランビック イタリア製 1250cc

右の容器に発酵させたモロミを入れ、下からランプで加熱します。左の容器の中には銅管がぐるぐる回るように入っていて、さらに冷やすための水が入っています。

モロミが加熱されると、水より沸点の低いアルコール分が先に蒸発します。その蒸気が隣の容器に行き、冷やされてまた液体に戻る仕組みです。

単式蒸留にはこんな特徴があります。

単式蒸留器でのエタノールの精製度は連続式蒸留器と比べると低いが、その反面発酵において生じた風味が残るという特徴もあり、本格焼酎(旧名・焼酎乙類)をはじめ、ブランデー・ウイスキー(モルトウィスキー)・ラム酒等の製造に用いられる。

特に、国内の本格焼酎の製造においては酒税法の規定により単式蒸留器を用いて製造しなければならないことになっている。(出典

なお、この銅製アランビック型単式蒸留器は、ウイスキー造りに現在も使用されていて、「ポット・スチル」と呼ばれているそうです。

ポットスチル

グレーンウイスキー

グレーンウイスキー(Grain whiskey)のグレーン(Grain)は穀物、穀類のことです。モルトは大麦麦芽のことを意味しているので、その他の穀物から造ったという意味でしょう。

トウモロコシなどの穀類を原料にして連続式蒸留機で造ったウイスキーを「グレンウイスキー」という。

連続式蒸留機は1831年に誕生したそうです。

連続式蒸留機はアイルランド人のイーニアス・コフィー(カフェ)が発明したもので、「コフィー・スチル」とも「パテント・スチル」とも呼ばれている。(中略)

連続的に発酵モロミを投入し、連続的にエタノールを含む精留成分を取り出す仕組みになっている。

得られるウイスキー蒸留液は精留が進んでいるため、香味がクリーンで軽やかになる。大麦麦芽を原料とした発酵モロミも、トウモロコシを原料とした発酵モロミも、連続式蒸留機にかけてしまうとあまり大きな違いは認められない。

しかし、個性がないぶん、ニュートラルでくせのないアルコールであるともいえる。

精留とは、すでに蒸留して得られた液をさらに加温して蒸留を繰り返すことです。アルコール度数は上がり、余分な成分は取り除かれていきます。

連続式蒸留機の使える画像はありませんでした。連続式蒸留器に大きな画像がありました。

モルトウイスキーとグレーンウイスキーの違いは、同じ蒸留酒の焼酎で考えると分かりやすいです。

焼酎には甲類乙類があります。

甲類は連続式蒸留機で蒸留されているので、いも、麦、米など材料由来のクセをほとんど感じません。

一方、乙類は単式蒸留器で蒸留されているので材料の風味が残っています。いも焼酎には独特の風味があり、米焼酎には吟醸香がありますね。

ブレンデッドウイスキー

ブレンデッドウイスキー(Blended whiskey)は、その名の通り、ブレンドしたウイスキーです。これは説明の必要がないと思います。

ウイスキーが日常の生活に取り入れられるにつれて、適度な力強さと穏やかさを兼備したウイスキーも望まれるようになってきた。

そこで生まれたのが、個性の強いモルトウイスキーと、ニュートラルでくせのないグレーンウイスキーをブレンドした、バランスのとれた品質の「ブレンデッドウイスキー」である。

シングルモルト、ピュアモルトウイスキーとは

シングルモルト、ピュアモルトは分かりそうで分からないウイスキーですね。モルトウイスキーであることは間違いありません。

最後に書かれていた表を転載します。これでよく理解できると思います。

ウイスキーの種類(最新 ウイスキーの科学による)
モルトウイスキー 大麦麦芽を原料にした発酵モロミをポット・スチルで蒸留して、長期間樽貯蔵したウイスキー
シングルカスク 一つの樽のみから造られたウイスキー
シングルモルト 一つの蒸留所のモルトから造られたウイスキー
ピュアモルト モルトから造られたウイスキー
ヴァッテッドモルト 複数の蒸留所のモルトをブレンドして造られたウイスキー
グレーンウイスキー トウモロコシなどの穀類を原料にした発酵モロミを連続式蒸留機で蒸留して、樽貯蔵したウイスキー
ブレンデッドウイスキー モルトとグレーンをブレンドして、必要に応じて樽で再貯蔵したウイスキー

まとめ

日本では、ウイスキーはビールと同じようにポピュラーなので、広く世界中で造られているのかと思いましたが、意外にも地域性がありました。日本はたまたま環境が適していたのでしょう。

ウイスキーは大麦麦芽を原料と糖化酵素源として、トウモロコシ、ライ麦、小麦などを原料に造られます。発酵させたモロミを蒸留して樽に詰めて長期間貯蔵することがウイスキーの製造には欠かせません。

ウイスキーには大麦麦芽を発酵させ単式蒸留器で蒸留したモルトウイスキーの他、トウモロコシなど他の穀物を主原料に発酵させ、連続式蒸留機で蒸留したグレーンウイスキー、それらを混ぜた、ブレンデッドウイスキーがあります。

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