賞味期限切れの味噌は食べられない?

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メーカーサイトを見ると、味噌は賞味期限切れでも食べられないわけではありませんと書かれていました。味噌の賞味期限は、みその種類によって差があり、結構幅があります。賞味期限は製造業者が必要な試験をして決定します。味噌は温度によって変化のスピードが変わります。もちろん温度が高いほど変化が進みます。色は早く濃くなって行きますが、味の変化はゆっくり進むようです。味噌は冷蔵庫で保存すること。味噌が原因の食中毒の事例はないそうなので、賞味期限切れの味噌は、味が自分の好みかどうかで食べるかどうか決めるとよいでしょう。

賞味期限切れの味噌は食べられない?

たとえば、ハナマルキのサイトにあるよくあるご質問はこのように書かれています。

賞味期限が切れたみそは食べても大丈夫でしょうか?

みそは発酵食品であり、古くから保存食として使用されてきました。このため、賞味期限が過ぎてもご使用できなくなるわけではございませんが、風味に変化が生じてしまいますので、賞味期限内にお召し上がりください。

「賞味期限が過ぎてもご使用できなくなるわけではございません」が、メーカーとしては「賞味期限内にお召し上がりください」なのでしょう。

味噌の賞味期限はどのくらいあって、また、どうやって決まるのでしょう?

味噌の賞味期限の長さはどのくらいあるの?

味噌の賞味期限は、だいたい次のような基準があるようです。常温です。かなり幅があります。

みその賞味期限の目安
米みそ麦みそ豆みそ調合みそ
甘みそ辛口みそ
常温流通3~6ヵ月3~6ヵ月3~12ヵ月6~12ヵ月3~12ヵ月

これは、日本醸造協会誌/93 巻 (1998) 7 号に収められたみその期限表示と栄養表示に書かれていました。

私は覚えていますが、昔、味噌には賞味期限ではなく製造年月日がプリントされていたのです。

1997年から賞味期限表示になった

この論文の冒頭に書かれていますが、平成9年(1997)から賞味期限表示になりました。それまで製造年月日表示だったのが、急に未来の日付に変わったので、しばらく変な感じがしたものでした。

平成6年に食品衛生法や栄養改善法及びみそ品質表示基準の一部が改正され,約2年間の経過措置期間があり,平成9年4月1日より今までの製造年月日表示から期限表示(品質保持期限又は賞味期限)へと移行し,併せて期限表示の前提となる保存方法も表示することとなった。

製造年月日なら容器に入れた日なので間違えようがなくはっきりしていますが、味噌の賞味期限は少しあやふやな感じがします。

いったい賞味期限を誰が決めるのでしょう?

味噌の賞味期限は製造業者が決定する

味噌の賞味期限は、製造業者が自分で試験をして決定するのです。

農水省のサイトにあった加工食品の表示に関する共通Q&A(第2集:消費期限又は賞味期限について)に書かれていました。消費者庁食品表示課による文書です。

ちょっと長いですが、引用します。製造業者が賞味期限を決めます

Q6 誰が消費期限や賞味期限を決めているのですか。

消費期限又は賞味期限の設定は、食品等の特性、品質変化の要因や原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、容器包装の形態、保存状態等の諸要素を勘案し、科学的、合理的に行う必要があります。

このため、その食品等を一番よく知っている者、すなわち、原則として、
輸入食品等以外の食品等にあっては製造業者、加工業者又は販売業者が、
② 輸入食品等にあっては輸入業者(以下、製造業者、加工業者、販売業者及び輸入業者をあわせて「製造業者等」という。)が責任を持って期限表示を設定し、表示することとなります。

なお、消費期限又は賞味期限の表示に限らず、食品等への表示は、これらの製造業者等が行うものです。したがって、各製造業者等においては、設定する期限について自ら責任を持っていることを認識する必要があります。

さらに、賞味期限を決める根拠となる試験も行うことが明記されています。

Q7 どのように、消費期限や賞味期限を設定しているのですか。

期限の設定を適切に行うためには、食品等の特性、品質変化の要因や原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、容器包装の形態、保存状態等の当該食品等に関する知見や情報を有している必要があることから、製造業者等(表示義務者)が期限の設定を行うことになります。

このため、製造業者等において、客観的な期限の設定のために、微生物試験、理化学試験、官能試験等を含め、これまで商品の開発・営業等により蓄積した経験や知識等を有効に活用することにより、科学的・合理的な根拠に基づいて期限を設定する必要があります。

みその期限表示と栄養表示では、一般社団法人中央味噌研究所が賞味期限設定のためにみその保存試験と官能試験を行って、その結果が書かれているのです。

味噌の色が変わり味が変わるまで試験する

味噌は冒頭の表にあるようにいくつか種類があります。それぞれの味噌について、5℃、20℃、30℃での6ヵ月の保存実験が行われました。

5℃は冷蔵庫に近い温度。20℃は常温。30℃はやや過酷な温度です。6ヵ月間の表面色の変化と4ヵ月経過時の色、香りと味について官能審査が行われました。

5℃保存なら色も味も変化せず30℃保存では色がすぐに濃くなる

試験の詳しい内容はみその期限表示と栄養表示を読んで下さい。

  • 5℃で保存したものはどの味噌も色や味に変化は見られませんでした。
  • 20℃で保存したものは色や味に少し変化が見られました。
  • 30℃で保存したものは色が2ヵ月で変わりましたが、味や香りは4ヵ月目でも許容できる程度の変化でした。

お店で室温30℃になることはないですが、家庭でなら、エアコンを切った夏なら十分あり得ることです。

味噌は時間とともに色と味が変化して行きますが、色が濃くなり味が変わるまで試験をするそうです。

みそは長期間保存したものでも衛生上危害が発生する可能性はまったくなく,過去にみそによる食中毒の事例は報告されていない。

しかし,みそは容器包装された後でも熟成は進行し,保存中に品質は確実に変化する。賞味期限は科学的,合理的な根拠に基づき設定するとされているが,この変化の度合いを科学的に体系づけられた方法で説明することはかなり困難である。

みそ業界では前述の試験の結果より,賞味期限の設定にあたっては着色現象が著しく進行し,強い焦臭を感じると評価される時点を目安とした。

味噌を買ってきたら、開封前でも冷蔵庫に入れておきましょう。

味噌は何年ぐらい食べられるのか?

三年味噌はたまにデパートで見かけることがあります。通販では五年味噌も販売されていました。

10年ものをもらったことがあります

私が食べたことがある一番古い味噌は10年ものでした。「冷蔵庫に入れてね」と知人から送られてきたのです。米麹を使った普通の(自家製)米味噌です。色は真っ黒でしたが、味噌のにおいの中にかすかに吟醸香が混ざっていました。吟醸香は吟醸酒を飲むときに感じるフルーツのような香りです。撮った画像が残っていたので載せます。

吟醸香は、(多分)大豆由来の脂肪酸が分解されて短くなり、それとアルコールが結合してエステルになってできたのでしょう。短くなった脂肪酸は、本来クサイのですが、アルコールと結合するとよい香りになるところが面白いところです。吟醸香に興味がある方は、吟醸香は酵母にストレスをかけると出てくるんだってを読んでみて下さい。

味は濃くてやや苦味があり、味噌汁を作るには普段使っている味噌より少ない量で間に合いました。

10年物の味噌

保存状態がよければ、10年経っても食べられるのだと知りました。

NOTE

”みそは長期間保存したものでも衛生上危害が発生する可能性はまったくなく,過去にみそによる食中毒の事例は報告されていない。”と書かれていましたが、すごいなと思いました。

味噌の色は変わりやすいのですが、味に変化が出るまでは時間がかかるようです。味噌の賞味期限切れは、もちろん、念のため味見をして確かめますが、賞味期限切れ自体、私は全く気にしません。

10年ものの味噌を食べたら、余計そう思うようになりました。

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