米味噌、麦味噌、豆味噌の栄養成分の比較

米味噌、麦味噌、豆味噌の栄養成分を比較すると、豆味噌はたんぱく質、脂質が多く、ミネラルも他の味噌に比べて多くて、食品として栄養豊富です。米味噌は色が赤くなるほど、豆味噌に似てきます。大豆が多くなるので当然です。麦みそは、仕込み方を調べて、大麦の栄養成分を調べると、「米みそ/甘みそ」に近いようです。

米味噌、麦味噌、豆味噌の栄養成分の比較

いままで、米味噌、麦味噌、豆味噌それぞれについていくつか記事を書いてきました。しかし、横に並べて成分の特徴を比較したことがありませんでした。

この記事で比較してみようと思います。

米味噌は、色の薄いのから赤みそまで3種類、麦味噌、豆味噌と並べました。

米みそ/
甘みそ
米みそ/
淡色辛
みそ
米みそ/
赤色辛
みそ
麦みそ 豆みそ
エネルギー 217kcal 192kcal 186kcal 198kcal 217kcal
水分 42.6g 45.4g 45.7g 44.0g 44.9g
たんぱく質 9.7g 12.5g 13.1g 9.7g 17.2g
脂質 3.0g 6.0g 5.5g 4.3g 10.5g
炭水化物 37.9g 21.9g 21.1g 30.0g 14.5g
灰分 6.8g 14.2g 14.6g 12.0g 12.9g
食塩相当量 6.1g 12.4g 13.0g 10.7g 10.9g
ナトリウム 2400mg 4900mg 5100mg 4200mg 4300mg
カリウム 340mg 380mg 440mg 340mg 930mg
カルシウム 80mg 100mg 130mg 80mg 150mg
マグネシウム 32mg 75mg 80mg 55mg 130mg
リン 130mg 170mg 200mg 120mg 250mg
3.4mg 4.0mg 4.3mg 3.0mg 6.8mg
亜鉛 0.9mg 1.1mg 1.2mg 0.9mg 2.0mg
0.22mg 0.39mg 0.35mg 0.31mg 0.66mg
マンガン
ヨウ素 Tr 1µg 1µg 16µg 31µg
セレン 2µg 9µg 8µg 2µg 19µg
クロム 2µg 2µg 1µg 2µg 9µg
モリブデン 33µg 57µg 72µg 15µg 64µg
レチノール ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0)
αーカロテン
βーカロテン
βークリプトキサンチン
βーカロテン当量 ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0)
レチノール活性当量 ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0)
ビタミンD ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0)
αートコフェロール 0.3mg 0.6mg 0.5mg 0.4mg 1.1mg
βートコフェロール 0.1mg 0.2mg 0.2mg 0.1mg 0.3mg
γートコフェロール 3.0mg 5.7mg 5.2mg 3.5mg 10.9mg
δートコフェロール 1.6mg 3.1mg 3.2mg 2.0mg 5.0mg
ビタミンK 8µg 11µg 11µg 9µg 19µg
ビタミンB1 0.05mg 0.03mg 0.03mg 0.04mg 0.04mg
ビタミンB2 0.1mg 0.1mg 0.1mg 0.1mg 0.1mg
ナイアシン 1.5mg 1.5mg 1.5mg 1.5mg 1.2mg
ナイアシン当量 3.5mg 3.8mg 3.4mg 2.9mg 3.4mg
ビタミンB6 0.04mg 0.11mg 0.12mg 0.10mg 0.13mg
ビタミンB12 0.1µg 0.1µg Tr Tr Tr
葉酸 21µg 68µg 42µg 35µg 54µg
パントテン酸 Tr Tr 0.23mg 0.26mg 0.36mg
ビオチン 5.4µg 11.9µg 13.7µg 8.4µg 16.8µg
ビタミンC ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0) ‘(0)
水溶性食物繊維 0.3g 0.6g 0.6g 0.7g 2.2g
不溶性食物繊維 5.3g 4.3g 3.5g 5.6g 4.3g
食物繊維総量 5.6g 4.9g 4.1g 6.3g 6.5g
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)

豆味噌は食べものとして栄養豊富である

豆味噌は、たんぱく質が17.2g、脂質が10.5gあります。たんぱく質が肉並みに多いです。脂質も割とあって炭水化物が少ない。今流行りの低糖質高タンパク食品です。

さらに、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅がそこそこ含まれています。豆味噌は全て大豆でできているので当たり前ですが、大豆の特徴そのままです。

食塩が100gあたり10gあることを別とすれば、栄養豊富な食べものといえます。

米味噌は色が赤くなるほど豆味噌に性質が似てくる

米味噌は、米麹の使用量が少なくなり、つまり、大豆の使用量が多くなり、色が濃くなると、たんぱく質が増え、炭水化物が減り、豆味噌に成分が似てきます。当たり前のことです。

味噌の色が濃くなると、メラノイジンが多くなり、いわゆる抗酸化力が強くなります。

味噌の効能が分かる「味噌力」
味噌汁を飲まない人が増えていると聞いたことがありますが、「味噌力」を読むと、やはり日本人は味噌汁を飲まなければと思うようになります。味噌と健康の関係というより、もっと踏み込んで、味噌が大きな病気を避ける味方になってくれることを教えてくれる本です。

麦味噌もたんぱく質が少なく炭水化物が多い味噌

麦味噌は米麹の代わりに大麦に麹を植えつけた麦麹を使用して仕込むのですが、麹歩合はどのくらいなのでしょう?

マルカワみそのプロが教える美味しい麦みその作り方を読むと、大豆1300gに対して(麦)麹2000gで仕込むよう書かれています。

また、大麦の栄養成分を調べてみると、押麦しかありませんでしたが、このようになります。米と大きな違いはありません。

おおむぎ/
押麦
精白米/
うるち米
エネルギー 346kcal 358kcal
水分 12.7g 14.9g
たんぱく質 6.7g 6.1g
脂質 1.5g 0.9g
炭水化物 78.3g 77.6g
灰分 0.7g 0.4g

ということは、上の表と照らし合わせると麦味噌は、「米みそ/甘みそ」に近いつくり方をしているといえそうです。

丸の内タニタ食堂の減塩みそがうまいなと思ったのがきっかけです

個人的な話なのですが、この記事を書こうと思ったきっかけは、丸の内タニタ食堂の減塩みそがうまいと思ったことがきっかけです。

丸の内タニタ食堂の減塩みそ|マルコメ
タニタ食堂で使用しているみそで、だし無しの粒みそです。淡色辛みそと比較して100g当たりのナトリウムを20%カット※し、甘みとコクのある味に仕上げました。※日本食品標準成分表2020年版(八訂)

この味噌はパッケージに「20割麹」と書かれています。この意味は、大豆の量1に対して2倍の米を使用した味噌という意味です。(出典

私は寒い地方で育っているので、子供の頃から赤い味噌の方になじみがあります。色が白っぽい味噌を食べた経験も、食べたいと思う気持ちもなかったのですが、もらって味噌汁を食べたらとてもおいしい。

この味噌は、ほぼ「米みそ/甘みそ」ですね

メーカーサイトの食品分析表はこの通りです。メーカーの説明では、淡色辛みそと比較して減塩とした商品とのことですが、上の表と比較するとほぼ、米みそ/甘みそだと思います。米麹を多く使用すると大豆とは違うおいしさがあるんですね。

みそ100g当たり
エネルギー 227kcal
たんぱく質 9.2g
脂質 4.8g
炭水化物 34.9g
食塩相当量 8.3g
カリウム 375mg
リン 136mg

最初、独特のうま味があるので、たんぱく質(=アミノ酸)が多いのかなと思ったら、炭水化物が多い味噌でした。これは米麹がおいしさを出しているのでしょう。

NOTE

豆味噌にたんぱく質が多いのは知っていたのですが、改めて味噌を並べてみると、豆味噌は食べ物として優秀だなと思います。ご飯と豆味噌があると、味噌汁にもおかずにもなりますね。いつも1パックは常備しておこうと思いました。

それにしても、丸の内タニタ食堂の減塩みそは本当においしくて、飽きるまで買い続けると思います。色は白みそより濃いですが、成分を比較すると「米みそ/甘みそ」です。

ところで、豆味噌(八丁味噌)をすりごまと混ぜて食べる方法を伊藤明子先生の「医師がすすめる抗酸化ごま生活」で紹介しました。

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