新潟大学で日本酒学を学ぶ

新潟大学では2018年に日本酒学を立ち上げ、清酒製造免許(試験醸造)を取得し建物内に試験醸造室もある日本酒学センターも完成しました。日本酒学の講義は全学部の学生が対象ですが、農学部農学科応用生命科学プログラムおよび食品科学プログラムの学生を対象に醸造学の講義も始まりました。近い将来、酒づくりもできるようになるでしょう。

2018年に新潟大学で始まった「日本酒学」

SAKETIMES 2021.03.12 の記事清酒王国・新潟県で誕生した「日本酒学」─ 産官学の連携が日本酒の未来をつくるを読むと、新潟大学では2018年に新しく日本酒学という新しい学問分野を立ち上げたことが書かれていました。日本酒に関係があるもの全てが対象みたいです。

日本酒学は、醸造・発酵などの造りの領域から、流通流通・販売などの消費に関係する領域、さらには健康・酒税・地域性・歴史・文化・法律などのより広い観点の領域を内包した総合科学としての新しい学問分野になります。

日本酒学センター

新潟大学の2021年07月13日付のニュースに日本酒学センター開所式を開催しましたという記事がありました。日本酒学センターは清酒製造免許(試験醸造)を取得してセンター内に試験醸造室もあるのです。

日本酒学センターは、2020年1月1日付で全学共同教育研究組織として新たにスタートしておりましたが、かねてより進めていました施設整備が完了し、清酒製造免許(試験醸造)を取得して、2021年4月1日に開所しました。(中略)

式典の後、平田大日本酒学センター副センター長により会場参加者および報道関係者向けのラボツアーが行われ、「展示スペース」や「きき酒実習室」、実際に清酒を造ることのできる「試験醸造室」、「日本酒と食品の美味しさ解析室」が公開されました。

普通、酒づくりは農学部か工学部で学ぶものですが、日本酒学センターは全学共同教育研究組織とあるので、特定の学部に所属するものではないことがわかります。

清酒製造免許(試験醸造)と試験醸造室もあるので、酒づくりはすぐにスタートできそうですが、まだこのニュースは、これを書いている時点で1ヵ月前の話です。これから、ですね。

日本酒学センターのサイトです。

日本酒学センター

日本酒学の講義は全学部の学生が対象

⽇本酒学の講義は教育というページで中身が紹介されています。

シラバスで検索してみると、今年は、日本酒学A-1(基礎)、日本酒学A-2(発展)、日本酒学B(実践)、日本酒学Cが受講でき、基本的に全学部・全学年の学生が対象になっていました。利き酒がある科目は、20歳以上であることが履修の条件です。

農学部では醸造学が受講できます

新潟県酒造組合副会長の平田大先生が2020年に農学部の教授に就任したと書かれていたので、農学部でより専門的な授業が行われているのか調べました。

平田先生は、大学院の自然科学研究科 生命・食料科学専攻 応用生命・食品科学コースの教授です。

さきほどのシラバスで平田先生の授業を検索してみると、醸造学がありました。全学部受け入れ可と書かれていましたが、農学部農学科応用生命科学プログラムおよび食品科学プログラムの3年生が対象です。

微生物を利用して製造する発酵食品および酒類について,微生物学,生化学,食品化学及び食品衛生学の立場から,それらの製造法の原理と微生物の働き,製造工程,食品的価値,問題点などについて講義する。

なお,講義を発酵食品 (味噌,醤油等) と酒類(清酒,ビール等)の二つに分け,発酵食品を養田が担当し、酒類を平田が担当する。

なお本科目は,味噌醤油メーカー・清酒メーカーでの経験を有する教員が,それを活かして発酵食品および酒類について授業を行います。

さらに、大学院生命・食料科学専攻(応用生命・食品科学コース)修士課程向けに醸造学特論Iがありました。

日本酒(清酒)醸造に関する原料・微生物・製造技術等について概説する。
なお、本科目は、清酒メーカーでの経験を有する教員が、それを活かした講義を行う。

もう一つ、大学院生命・食料科学専攻(応用生命・食品科学コース)博士課程向けに醸造学特論IIがありました。

アルコール発酵ツール/モデル生物としての酵母の有用性について最近の研究を概説する。なお、本科目は、清酒メーカーでの経験を有する教員が、その経験も活かした講義を行う。

実際に日本酒の醸造の実習ができるようになるのは、農学部農学科応用生命科学プログラムか食品科学プログラムのどちらかになりそうですね。

市民向けの新潟大学公開講座

一方、市民向けの公開講座も行われていました。新潟大学の2019年12月25日のニュースに令和元年度後期新潟大学公開講座 「日本酒学ことはじめ」を開講しましたという記事がありました。

全国的にも高い注目を集めている「日本酒学」の市民向けの講座として、“日本酒の奥深さを多角的に学ぶ”を目的に、2019年11月から公開講座「日本酒学ことはじめ」を開講しました。この企画には、当初より高い関心が寄せられ、申込開始からわずか2日で定員に達するなど注目を集めました。

NOTE

アメ横近くにある吉池の地下2階には日本酒がずらりと並んでいますが、中でも新潟のお酒が充実しています。オーナーが新潟の方なのだそうです。新潟のお酒を買って「失敗したなあ」と思ったことがありません。

新潟のお酒の品質は高いです。

これから新潟大学が地元の酒蔵の優秀な後継者を輩出していくことは間違いないでしょう。

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