納豆に入っているポリアミン

納豆の科学―最新情報による総合的考察を読みました。この本を読んでポリアミンのことを初めて知りました。免疫細胞に働きかけて炎症を起こりにくくする作用があり、結果的に動脈硬化を進行しにくくするのだそうです。

こういう物質は普通の食品分析では出て来ません。

しかし、炎症というのは一時的ならよいですが、継続するとよくないのですね。

この記事では、ポリアミンについて書きます。

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ポリアミンとは

ポリアミンはほとんどすべての生物の細胞に存在し、細胞の機能や分裂・増殖のためには不可欠な物質です。ポリアミンがないと細胞は分裂できず、成長できません。

ヒトの代表的なポリアミンは、下図のように、プトレスシン、スペルミジン、スペルミンです。構造式がなんか脂肪酸みたいです。両端がアミノ基(-NH2)なので違いますけれども。

ポリアミン

ポリアミン

ポリアミンは、若い頃なら盛んに合成されるのですが、加齢とともに徐々に低下します。ポリアミンは、アルギニン、グルタミン、オルニチンを原料としてつくられるそうです。

一般に腸から吸収できる物質の分子量は1000以下と考えられています。ポリアミンの分子量は、最も大きなスペルミンでも200程度です。スペルミンとスペルミジンはそのまま吸収され、体の中で使われます。

ポリアミンを多く含む食品

ウイキペディアには、ポリアミンは、白子、貝類、きのこ類、納豆、大豆、小豆、チーズに多いと書かれていました。

さらに、”アンチエイジング(抗老化)、ポリアミンによる炎症抑制がカギ “というインタビュー記事を読むともっと詳しく書かれていました。

豆類には原則的に高濃度のポリアミンが含まれており、高ポリアミン食の代表格というと、自然食品では大豆です。昔から健康によいといわれているキノコ類もポリアミ ンが多く含まれている食品の一つです。また、微生物による発酵過程でポリアミンが たくさん作られます。 つまり、原料にポリアミンが含まれていなくても、発酵食品には発酵の過程で多量のポリアミンが増えることになるのです。

牛乳にはポリアミンは 殆ど含まれていませんが、牛乳を発酵させてつくったチーズや発酵の進んだヨーグルトには高濃度のポリアミンが含まれています。当然、もともとポリアミン濃度の高い大豆を発酵させて作った日本の伝統食品である味噌、醤油、納豆はポリアミン濃度が最も高い食品です。

世界最高の長寿国である日本の中でも、最も長寿な沖縄の人達は、泡盛を作る時にできるもろみ(黒麹菌の発酵による米麹)を昔から料理に使っています。このような発酵物質の中には多量のポリアミンが含まれています。

野菜は意外とポリアミンが少ないのですが、食物繊維があると腸内細菌の微生物の発酵を促してポリアミン合成を促進します。また、乳酸菌飲料を飲み続けることによって、ポリアミンを活発に合成し続ける新鮮な乳酸菌を増やし、体内にポリアミンを供給し続けているのではないかと考えられています。

なるほど。豆やキノコにはもともと多く、その他微生物がポリアミンをつくるので、発酵食品にはたくさん含まれているということです。特にヒトが食べて血中のポリアミン濃度が高まることが分かっているのは、納豆だけらしいですよ。(出典

ポリアミンの効果

ポリアミンは、リンパ球の表面にある、炎症を誘発するLFA-1を抑制します。

もう少し踏み込んでいうと、ポリアミンが十分供給されるとリンパ球のLFA-1が徐々に減っていきます。

リンパ球は免疫細胞です。炎症が起こりにくくなるということは、免疫反応が弱くなるようにも感じますが、NK活性は、むしろ強力に反応するようになるそうです。つまり、反応だけは若い細胞のようになるのです。

そして、炎症が起こりにくくなると、動脈硬化が進行しにくくなります。若い人には関係がないですが、私のようにだんだん老人に近づいていく年齢の人たちには、無視できない話ではないかと思います。

では、リンパ球とLFA-1と動脈硬化の話を説明しましょう。

動脈硬化は炎症が原因になって進む

炎症は免疫反応の一つです。体にとって必要な反応です。

若い時の方が免疫反応が活発なのかと思いましたが、なぜか、高齢者になるほど免疫細胞は炎症が起こりやすい状態になるのだそうです。

LFA-1は、リンパ球などの表面に存在します。LFA-1の役割は、インテグリン(integrin)と呼ばれ、細胞接着分子です。血管内皮細胞とくっつくための腕だと思ってください。これが、加齢とともに増加します。

LFA-1はどのように働くか

血管内に酸化LDLがたまって炎症が起きると、サイトカインという情報伝達のタンパク質が放出され、免疫細胞と血管内皮細胞を刺激します。すると、免疫細胞からはLFA-1が出て来ます。

また、血管内皮細胞からは、ICAM-1という腕が出ていてLFA-1と結合します。すると、免疫細胞に信号が送られ、免疫細胞は血管内皮細胞の中に入り込みます。

入り込んだ免疫細胞は、酸化したLDL(いわゆる悪玉コレステロール)を次々に取り込み、ブヨブヨになって破裂して、血管の中に向かってふくらみ、血管の内腔を狭くして、血液の流れを悪くしてしまいます。

加齢によってLFA-1が増加していると、ICAM-1とどんどん結合してしまい、この反応が激しくなります。するとサイトカインなどの刺激物質が放出され、さらに免疫細胞が集まってきます。そのきっかけになるのが、LFA-1です。

慢性的に炎症が起きると、その部分は少しずつ硬くなり、動脈硬化が進んでしまいます。

LFA-1の働きを抑えられると、炎症が激しく起きなくなり、動脈硬化が進行することを抑えることができるようになります。

ポリアミンは加齢によってつくられにくくなってきますが、食品によって不足した量を補うことができます。

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