酵素不足なら米麹を食べたらよいのでは?

酵素サプリや酵素ドリンクを説明するページを見ると、相変わらず酵素栄養学の話が多くてうんざりします。そこで、この記事では酵素不足を気にする人に1キロ1000円くらいで買える米麹を食べたらどうかという提案をします。

米麹は増やすことができて食べられる

麹は塩麹にしたり甘酒を作って飲む方が多いみたいです。しかし、甘酒はでんぷんを糖分にしているので、自然な甘さといっても、糖分であることに変わりはありません。絶対量が少ないかもしれませんが。

では米麹そのものを食べていたらどうなのでしょう?米麹は、家庭で使われる時は、甘酒つくりの他、味噌をつくるときに使われます。麹は酵素をいろいろ分泌します。

サプリメントが近所のドラッグストアに行くと普通に買える時代ですが、なるべくお金をかけないで、体によいものが手に入る方法を探して提案したいと思っています。

米麹を買って来て、自分でご飯を蒸して、また米麹を増やすことができたら安上がりです。

そのまま食べてもよく、甘酒も漬け物にも使えて便利です。

麹

米麹に含まれる酵素

酵素食品の酵素のことを気にしている人には、朗報です。酵素不足(本当はそんなことないのですが)が心配な人は、米麹を食べればよいのです。

米麹にはいろいろな酵素が含まれている

米麹は、コウジカビを炊いた米につけて生育させたものです。コウジカビが体外に分泌した酵素でデンプン、タンパク質、脂肪などを分解することが出来ます。

国菌といわれるニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)は、デンプンをブドウ糖に分解する性質に優れ、日本酒の醸造のために使われています。また、タンパク質をアミノ酸に分解する性質は味噌、醤油の醸造に利用されています。

デンプンをブドウ糖に分解するのは、アミラーゼという酵素。タンパク質をアミノ酸に分解するのはプロテアーゼという酵素でした。(出典

コウジカビは、真菌です。キノコ、酵母の仲間です。真核生物といって、細胞核をもちます。細胞壁ももっているので、植物細胞と似ていますが、葉緑体を持たず、光合成も行わない従属栄養生物です。植物に似ているけれど生活は動物です。(出典

細胞内にはさまざまな細胞小器官があり、ミトコンドリアをもっているので酸素を使ってTCA回路でエネルギーをつくります。

コウジカビがいくつか消化酵素を持っているのは、細菌より進化した真菌で環境に対して適応力があるからです。細菌である乳酸菌と比較してみましょう。

乳酸菌はブドウ糖を分解する

ヨーグルトをつくる乳酸菌は細菌です。細菌は原核生物で、細胞核を持ちません。そして、細胞内にミトコンドリアもありません。そのためエネルギーをつくるために酸素は利用しません。

そして、乳酸菌も光合成も行わない従属栄養生物です。食べ物を探して食べなければなりません。しかし、ミトコンドリアを持たないので、ブドウ糖を乳酸かアルコールまでしか分解しません。その間に得られたエネルギーで生きています。

乳酸菌がエネルギー源として使えるのはブドウ糖だけです。

日本酒、味噌、醤油に最初に麹を使うのは、消化酵素を持ち原材料を分解してくれるからです。

米麹のカロリーや成分

いつものように栄養成分を調べました。

玄米は、玄米を炊いたご飯。ごはんは白米を炊いたご飯のことです。米こうじ(麹)のカロリーが高いのは、乾燥させているので同じ100gでも含まれている水分が少ないからです。

単純に100gあたりの米粒の数を比較すれば米こうじが一番多いです。

100gあたりの栄養成分(出典
食品成分 熱量 水分 たんぱく質 脂質 炭水化物 灰分
玄米 165kcal 60.0g 2.8g 1.0g 35.6g 0.6g
ごはん 168kcal 60.0g 2.5g 0.3g 37.1g 0.1g
米こうじ 286kcal 33.0g 5.8g 1.7g 59.2g 0.3g

栄養成分の構成は、ほとんどご飯と変わりません。炭水化物が多いです。

米麹を買ってくる

かの有名な伊勢惣 みやここうじ 1kgはアマゾンで買えますが、送料がかかります。時々値段が変わることがありますが、メーカー希望小売価格は、消費税率10%になってから¥1130(税込)です。

しかし、こういうものは、自然食品店や酒屋さんや乾物屋さんで取り寄せてもらえそうです。特に自然食品店ならありそうです。近所の店を探して問い合わせてみるのがよい方法です。もっと小さいサイズもありますが、麹は保存性がよいのである程度量を買った方が割安になります。

普段、酵素を飲んでいる方なら1キロ1000円ならウソみたいな値段だと思います。まずは食べてみましょう。お腹の調子がどうなるか楽しみです。

米麹をつくる

テレビで日本酒の仕込みの番組を見ると、蒸した米にパラパラと粉のような麹を振りかけて麹を増やしています。きっとその粉になった麹は高いので、1キロ1000円で買ってきたみやここうじのような米麹を種に使う方法を探しました。

今は本当によい時代です。熱心な方がアップしてくれていました。25年くらい前なら、大きな図書館に行って半日がかりで調べるような話です。

米麹を用意して、お米を蒸してそれを適温に冷ましたところで米麹と混ぜてつくるようです。

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米麹を買って来た

いつもスパイスを頼む乾物屋さんにみやここうじがありました。200gで270円+消費税です。

以前、別なメーカーの米麹を買って来てしばらく食べていましたが、何となくにおいが古い油のようなにおいがしたのと、食べ始めて便秘してそれっきりになっていました。

改めて毎日必ず食べてみようと思いました。

板こうじが2枚入っています。胞子が飛ぶような感じでした。このまま食べるわけにはいきません。

ボウルに入れて手で揉んでばらします。

ばらばらにほぐしたら、ジップロックに入れてそのまま台所に置いています。

みやここうじは品質がよい

早速食べてみました。口に入れると以前買ったメーカーの米麹のような油くさいにおいはしません。油くさいというのは古くなった油のにおいなのです。さすが、みやここうじは品質がよい!

噛んで味わってみると、固いあられみたいなのは同じです。ほんの少し甘みがあります。かみ続けると、口の中が少しさわやかな感じがしてきます。

以前、別メーカーの米麹を食べ始めたら、すぐに便秘になりました。私は毎日快便なのですが、きっと乾いていた麹が体の中で水分を吸ったのだろうと思いました。

麹を食べるときは、水を必ず飲みましょう。

パッケージの裏を返すとこんなことが書かれていました。

善玉菌

こうじはそのまま食べても甘い、自然な甘さの善玉菌です。腸内フローラの為に、小さじ一杯(4~5g)を、ぬるま湯又は水でお試しください。(1日1回~3回、食後)

ちなみに私は、カレースプーン一杯をよく噛み砕いたあとに、水を飲んでいます。

米麹を粉(パウダー)にする

しばらく食べていると、噛み砕くのがめんどうに感じて来たので、電動コーヒーミルで米麹200gを粉にしました。こうすると、かなりバサバサしますが、食べやすくなります。そして粉にすると、米麹の甘さがよくわかります。

米麹の粉(パウダー)

米麹を食べた効果

前回、別メーカーの米麹を食べた時は、すぐに便秘になりましたが、今回はなかなかよいです。朝、快便であり、便もあまりにおわない。におわないのはお腹の調子がよいということです。

ちなみに私は夜寝る前に飲むようにしています。

これはよさそうなので、次は、米麹を培養してみようと思います。そして、麹を食べてみようと思っている方は、ぜひ、麹のちから!を読んだをご覧下さい。

「麹のちから!」を読んだ
麹は酒・味噌・醤油をつくるときに使いますが、酒・味噌・醤油専用の微生物ではありません。乳酸菌よりも健康に役立ち、環境浄化にも役に立つとは知りませんでした。麹は日本の国菌です。

麹を食べてみようかなという気持ちが、きっと「食べよう!」と変わるでしょう。

NOTE

まったく先入観というのは、なかなか払拭できないもので、日本酒の麹室でこうじの黴びているようすを見ただけで、「食べ物ではない」と無意識に思い込んでいました。

しかし、それを元に日本酒ができるのだから、食べられないわけはないのです。もし、乾燥米麹をしばらく食べてみてよかったら、炊いたお米を使って培養するのと、塩麹を自分でつくるようになると思います。

こちらに酵素の話はまとめてあります。酵素について知りたいならまず最初にこのページから読んでほしい

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