八丁味噌が育毛するとか?

八丁味噌は米麹も麦麹も使わない、すべて大豆が原料の味噌です。2~3年樽の中で熟成させるのが特徴で真っ黒になります。八丁味噌は育毛にも役に立つらしいという話を読んだので書いておきます。

八丁味噌

味噌がからだによいことはほとんどの方がご存知だと思います。ただ、若い方は、ごはんを食べなくなっているそうなので、ごはんとセットになっているみそ汁を飲まない方が増えているのかもしれません。

味噌は原料と色で分類されていますが、どんな味噌がお好きですか?私は北国出身なので色の濃い味噌の方が好きです。白味噌はほとんど自分で買ったことはないです。

ところで、育毛には、八丁味噌がよいらしいです。

八丁味噌は大豆と塩だけで作る長期熟成味噌

八丁味噌は愛知県三河地方で作られる味噌です。米麹や麦麹を用いず原材大豆の全てを麹にした豆麹で作られる豆味噌で発酵させたあとで2~3年樽の中で熟成させるのが特徴です。

たいていの方が毎日食べている普通の味噌は、蒸した大豆に米麹や麦麹を何割か入れて作ります。

蒸した大豆をつぶして玉にして温度を下げて「種麹」を振りかけておくと四日ほどで玉の表面が黄色になります。これを豆麹(まめこうじ)といいます。

豆麹ができたら、これを砕いて塩と水でこね合わせて、大きな仕込み桶へ運び、桶の中で味噌をよく踏みます。一杯になったら木の蓋をし、その上へ重しに石を積んで熟成させます。真っ黒に見える味噌ができます。

味は、濃厚なコクと少々の酸味、渋味、苦味のある独特の風味があります。

八丁味噌の定番は、カクキューのこの味噌だそうです。よく行く乾物屋さんに聞きました。飲食店で使っているところがあるので切らすことができない商品だとか。

もっとも最近は、スーパーで見かけることも多くなりました。ネットで買うと送料がかかるのでまずお店に行くのがよいです。

八丁味噌のイソフラボンがIGF-1を増加させる

豆味噌は大豆だけから作っています。そのため、大豆イソフラボンが多く含まれています。

大豆イソフラボンには、糖がついた配糖体と呼ばれるものと、糖が外れたアグリコンと呼ばれるものがあります。

育毛効果がある大豆イソフラボンは、配糖体と呼ばれるもので、配糖体型のイソフラボンは、知覚神経刺激作用がなく、知覚神経のCGRPを増やす作用のみを持っています。

CGRPは、知覚神経から放出されてIGF-1を増やす作用を持ったカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)のことです。

大豆イソフラボンは発酵させると育毛に役立つ

一方、アグリコン型のイソフラボンは、カプサイシンと同じように知覚神経の刺激作用があることがわかりました。

ところで、大豆イソフラボン類の代謝と腸内細菌によると、このように書かれていました。

大豆に含まれるイソフラボン類は主として genisteinと daidzeinであるが,大豆や大豆食品中では発酵食品を除きアグリコンである genisteinや daidzeinの形ではほとんど存在せず,95%以上が配糖体として存在する。・・・(中略)・・・発酵大豆食品中ではほとんどがアグリコンとなっている。

アグリコン

味噌の中では、ほとんどがアグリコンになっていて、カプサイシンと同じように知覚神経を刺激します。

八丁味噌は、豆味噌よりも1.2倍多い量のアグリコン型のイソフラボンを含み、実験では、豆味噌ではなく、八丁味噌が、IGF-1を増加させることが分かりました。

豆味噌も豆と塩だけで作る味噌です。違いは熟成期間です。八丁味噌は足かけ3年、長期熟成をさせます。その間に微生物の作用で、配糖体型のイソフラボンがすっかりアグリコンに変化しまうことが考えられます。

IGF-1が増えた時、育毛以外の効果

八丁味噌を食べたマウスは、全身のIGF-1が増加しますが、脳の記憶や学習の中枢である海馬という部位のIGF-1まで増加しました。

それによって、海馬の神経細胞の働きが改善します。実際のところ、八丁味噌を食べさせたマウスでは、学習能力の改善が認められました。

また、IGF-1には鎮静作用があることも知られています。

味噌は色が濃い方が効果的

味噌の効能が分かる味噌力を読むと、味噌はおいしくてからだを守ってくれることが分かります。こんなことが書かれていました。

味噌の効能が分かる「味噌力」
味噌汁を飲まない人が増えていると聞いたことがありますが、「味噌力」を読むと、やはり日本人は味噌汁を飲まなければと思うようになります。味噌と健康の関係というより、もっと踏み込んで、味噌が大きな病気を避ける味方になってくれることを教えてくれる本です。
  • 味噌は放射能から体を守る。
  • 味噌は乳がんの発生をおさえる。
  • 味噌は肺腺がんの発生をおさえる。
  • 味噌は胃がんの発生をおさえる。
  • 味噌は大腸がんの発生をおさえる。
  • 味噌の塩分では血圧は上がりにくい。

子供の頃は、朝昼晩みそ汁を当たり前のように飲んでいましたが、今は昼に飲むことがほとんどなくなりましたね。夜だけ一杯という日が多いかもしれません。特に寒い日は、疲れて帰った夜に、一杯の熱いみそ汁を飲めるととてもおいしく感じます。

がんの発生をおさえるには、1日2~3杯は飲んだ方がよいそうです。

健康診断に行って血圧が高いと必ず減塩のことをいわれます。食塩の場合はその通りなのでしょうが、味噌の場合はあまり気にしなくてもよいみたいです。

味噌の抗酸化性の強さは、味噌の色が大きく関係していると考えられています。味噌の色の違いは、熟成期間の違いによることが大きく、熟成期間が長いほどいわゆるメイラード反応によってできる褐色物質、メラノイジン量が増して色は濃くなっていきます。メラノイジンは強い抗酸化力を持つことが知られています。

育った地方によって味噌に好き好きがあると思いますが、濃い色の味噌を選ぶようにするとよいようです。

NOTE

徳川家康は75歳まで生きましたが、八丁味噌が大好きだったそうです。

味噌は色が濃いほどメラノイジンが多くなり、効果が出るようになります。普段から色の濃い味噌は使っていましたが、八丁味噌は自分で買ったことがなかったです。

東京だと成城石井のようなスーパーはともかく、普通のスーパーでは八丁味噌はあまり置いてないです。

しかし、電車に乗るほどの距離でもなく、少し遠くまで足を延ばせば、味噌屋さんがあることを思い出しました。行ってみます。八丁味噌を買ってみましょう。単純にしじみのみそ汁なら八丁味噌はおいしいと思いますが、今はクックパッドで八丁味噌を使ったみそ汁レシピがたくさん公開されています。

みんなの「豆みそ みそ汁」レシピが322品 - クックパッド
赤味噌煮込みうどん | 茄子とトマトの味噌汁 | 絹さやと玉ねぎの味噌汁 | オニオングラタンみそ汁 | モヤシたっぷりの赤だし味噌汁 など

味噌について他にもいくつか記事を書いています。味噌についてをご覧下さい。

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